咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

2021-01-01から1年間の記事一覧

ローマ人の物語 Ⅷ 危機と克服① 塩野七生  新潮社

ネロが死んだあと、アウグストゥスの血を引く者が皇帝となる時代は終わりました。 しかしここから、混迷の時代が始まります 。 結局、思いもかけず皇帝になった人間は、良き政治を行うことよりも、自分の立場に溺れることが先のようです。 ネロの後、皇帝に…

おまけのこ  畑中恵  新潮文庫

若だんなシリーズ第4弾。 相変わらず・・・いや、ますます体の弱いのがひどくなった一太郎。 そして相変わらず、佐助と仁吉の献身的な介護・・・いや、面倒を見てもらって何とか日々を過ごしています。 今回もとっても面白いです。 同じ妖達からも、仏です…

改訂完全版 斜め屋敷の犯罪  島田荘司  講談社文庫

改訂版が2016年だけれど、実際にはもっと前の作品です。 御手洗潔シリーズは、やっぱり期待を裏切りませんねぇ。 これも、猛烈に面白いのです。 ピサの斜塔のように斜めに建てられた館で起こる殺人事件。 雪は降っていますが、別に孤立してはいません。 いわ…

鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々  中西モトオ  双葉社 kindle

あまりにも表紙がきれいなので、つい買ってしまいました。 WEB小説だったものを、本にしたものだそうです。 思っていたより、壮絶な物語でした。 鬼と戦う物語なので、一見「鬼滅の刃」っぽいのですが、読んでみると全然違います。 甚太には妹の鈴音がいます…

僧正殺人事件  ヴァン・ダイン  鈴木幸夫訳  グーテンベルク21

正に古典ミステリ。 kindleになったのが2003年ですが、実際は1929年の作品です。 作品中のヴァン・ダインが「私」という語り手として登場するのですが、面白いくらいに存在感がなしです。 まれ~に、主人公のファイロ・ヴァンスが「ねぇ、ヴァン」と話しかけ…

かがみの孤城   辻村深月  ポプラ社

いや~、ついにこの作品を読みました! 2018年度本屋大賞受賞作であり、あまりにも有名な作品ですよね。 ちなみに、私にとっては初の辻村深月作品です。 全体的に、ものすごく丁寧に書かれており、繊細な心理描写と、最初からあらゆるところに張られている伏…

ふしぎ駄菓子屋銭天堂   廣嶋玲子   偕成社

商店街の細めの脇道のところに、今まで見たこともない駄菓子屋があります。 その名も「銭天堂」。 中に入ると見たこともない、変わった名前の駄菓子がいっぱい。 そしてそこには、古銭の柄の入った赤紫色の着物を着た、どっしり太って大きくて、髪は真っ白、…

お探し物は図書室まで  青山美智子  ポプラ社

すっごく読みたかった本です。 なかなかブックオフに売ってなくて、ついに本屋さんで定価で買いました。 でもそれだけの価値はありました! すっごくよかったです。期待通りでした。 今年の本屋大賞第二位の作品ですね。 うなずけます。 舞台は、とある小学…

カササギ殺人事件(上)(下) アンソニー・ホロヴィッツ 山田蘭訳  創元推理文庫

2019年本屋大賞翻訳部門第1位作品。 珍しく、作中作作品となっています。 上巻が作中作、下巻が実際に起きた事件となっています。 綾辻行人著「迷路館の殺人」もちょっとそれっぽかったですよね。 上巻の作中作で起きた事件の結末の章が、ごっそり抜けてい…

眼球堂の殺人   周木律   講談社文庫

メフィスト賞受賞作にして、このシリーズの第一作。 そして、まさにどんでん返し作品として申し分ないでしょう。 見事などんでん返しでした。 この作者は、建築学科卒だそうで、この作品のテーマも「建築」となっています。 バリバリ理系ですが、まだそこま…

ルームメイト   今邑彩   中公文庫

いや、これムッチャクチャ面白かったです! こういうお話だったんだーという感じです。 これも一息に読んでしまいました。 大学生の春海は、不動産屋さんで知り合った麗子と、部屋をシェアしてルームメイトとなります。 ところが、最初地味だった彼女がだん…

星籠(せいろ)の海(上)(下)  島田荘司  講談社文庫

御手洗潔シリーズで、初の映画化作品だそうです。 舞台は瀬戸内海、広島の鞆(とも)というところです。 ここは昔、村上海賊がいたところで、船の技術や海上船の技術が大きく発展したところだそうです。 そのため、ペリーがやってきたとき、幕府はこの村上海…

江戸川乱歩  青空文庫より D坂の殺人事件 人間椅子 屋根裏の散歩者

D坂の殺人事件 人間椅子 屋根裏の散歩者 D坂の殺人事件 明智小五郎といえば、小学校時代、怪人二十面相シリーズ、よく読みました。 これはその明智初登場のお話ですが、私のイメージの明智とはちょっと違ったかな。 二十面相の時はスーツのイメージだったけ…

奇面館の殺人(上)(下)  綾辻行人  講談社文庫

この本は、1年以上も積読の中にありました。 なぜか? 館シリーズは順番に読まなければならないのに、間違って早い段階で買ってしまったからでした。 なので、その前の館シリーズを買いそろえて、読み終わるまで積読状態。 それに、これを読んでしまうと、…

異人たちの館   折原一  文春文庫

600ページ弱の大作ですが、一息に読んでしまいました。 ミステリーランキングでも、かならず上位に食い込んでくる作品ですね。 折原一さんの代表作です。 いや、凄いお話でした。 面白くてたまりませんでした。(語彙力がないなー) こちらは1993年の作品で…

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続   宮部みゆき  角川文庫

でました!三島屋シリーズ五作目です。 いや、これも最高ですね!!! この「三島屋」シリーズ、なんでこんなに面白いんでしょうか。 そしてついに! ついにおちかが結婚!!!! お相手はあの方ですよ、あの方・・・。 しかもその結婚のいきさつがまたおち…

屍人荘の殺人   今村昌弘   創元推理文庫

こういう系統のお話だったのかー。 なるほど、「屍人」とはこういう意味だったのですね。 ネタバレになるので書けませんが、うう~ん、この系統としては、ある人気の外国映画がありますし、もしくは最近日本でもドラマになりましたね。 なーんて、読んでいな…

星降り山荘の殺人  新装版   倉知淳   講談社文庫

新装版なので2017年ですが、実際は1996年の作品です。 なので、携帯がまだ一部の人しか持っていないときで、これが大きな事件のカギともなっています。 前の作品ですが、いまでもミステリーランキングで上位を占める人気作品ですね。 山荘に集まった初対面の…

推し、燃ゆ   宇佐見りん   河出書房新社

ネタバレしていますので、嫌な方はご注意ください。 本年度芥川賞受賞作ですので、ご存じの方も多いでしょう。 若干21歳という若さで受賞されたそうです。すごいですね。 思ったより、短い作品。あっという間に読めてしまいます。 ・・・・・・・でも・・・ …

そして、バトンは渡された   瀬尾まいこ   文春文庫

2019年本屋大賞受賞作です。 何度も家庭環境が変わり、2人の母親と3人の父親がいる優子。 こんな生い立ちだと、周りの人は彼女が不幸であることを連想します。 しかし彼女は言います。 「困った。全然不幸ではないのだ」と。 どの親も、彼女を一生懸命育て…

陰陽師 鳳凰ノ巻   夢枕獏   文春文庫

このシリーズ、清明と博雅のやり取りを読むと、なんだかほっとします。 懐かしいところへ帰ってきたような気がするというか・・・。 内容はおどろおどろしいものや、哀しいものが多くても、二人の存在が救いなのです。 二人はいつも、ほろほろと酒を飲む。 …

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人  東野圭吾  光文社

東野圭吾先生の最新作です。 表紙の絵がオシャレで、読みたい読みたいと思っていた作品でした。 東野圭吾先生ってホントにたくさん作品があるのですが、また新しいキャラクターが出てきたな、という感じです。 まさに、今の物語。コロナ禍の、観光業が立ち行…

Yの悲劇  エラリー・クイーン  鮎川信夫訳  創元推理文庫

高校生の時に1度読んで、衝撃を受けた作品です。 今読み返してみると、こんなに差別用語満載だったのかと、ちょっとびっくりしました。 こんなのがよく平気で出版されていたものです。 今だったらどれだけ批判を被ることでしょうか。 作者がそうなのか、訳…

老後の資金がありません   垣谷美雨   中央公庫

てっきりエッセイだと思っていたら、小説でした。 いや~、身につまされました。 老後のためにと思っていたなけなしの貯金が、思いもかけず娘のハデ婚やら舅の立派な葬儀やらなんやかんやで、もろくも崩れ去っていく主人公。 さらに追い打ちをかけるように、…

イニシエーション・ラヴ   乾くるみ   文春文庫

ミステリーランキングに、必ずと言っていいほど入ってくる作品です。 普通の恋愛小説と思いきや、最後に全く違ったものになるのだ、という評判でしたので一体どんなどんでん返しが待っているのか、楽しみにしながら読み進めました。 最後、なるほど確かにび…

この本を盗む者は  深緑野分   角川書店  

本屋大賞ノミネート作品です。 こういうファンタジー大好きです。 正に「本の本」。読書好きにはたまりません。 もう設定からしてワクワクしてしまいます。 物語の舞台は、有名な書物の蒐集家であったひいおじいさんと、その娘であるおばあさんが、コツコツ…

medium(メディウム)霊媒探偵 城塚翡翠  相沢沙呼  講談社

こんにちは、咲紗(サーシャ)です。 さて、2020年本屋大賞受賞作の「medium」です。 あまりにもきれいな表紙に魅せられて、欲しい欲しいと思っていた作品です。 ほんとにきれいな絵ですよね。 遠田志帆さんという方が描かれていて、あの綾辻行人著「Another…

ブレイクタイム~咲紗、3月ブックオフ爆買い報告~

こんにちは、咲紗(サーシャ)です。 実は、このたびブログをワードプレスからはてなブログへ移行しました。 なぜかというと、ワードプレスだと検索に引っ掛かりにくいようなのです。 一人でも多くの方にこのブログを読んでいただきたいなと思い、思い切って…

図書館の魔女 第三~四巻   高田 大介    2016年5月13日 講談社文庫

長かった~。 ここまで読むのがしんどいのは「指輪物語」に匹敵しましたね。 でも一息に読んでしまいました。 前も書きましたが、とにかく言葉が難しすぎる! 聞いたことのない単語、聞いたことのない読み方でほぼ成り立っていると言っても過言ではありませ…

図書館の魔女 第一~二巻  高田 大介

2016年4月15日 講談社文庫 かなりの長編で、これでやっと前半。 作者のデビュー作で、第45回メフィスト賞受賞作です。 この作者、言語学者だそうです。 そのせいか、やけに難しい言葉がふんだんに使われていて、ちょっと理解できないところが多々ありまし…