イニシエーション・ラヴ 乾くるみ 文春文庫
ミステリーランキングに、必ずと言っていいほど入ってくる作品です。
普通の恋愛小説と思いきや、最後に全く違ったものになるのだ、という評判でしたので一体どんなどんでん返しが待っているのか、楽しみにしながら読み進めました。
最後、なるほど確かにびっくりしました。
思わず「はぁ?」と言ってしまいましたね。
意味が分からず、頭の上にはクエスチョンマークがいっぱい出ていたことでしょう。
でもよくよく考えて「ああ、そういうこと」とわかりました。
でも、ミステリーとは言えないような気がしますが・・・・。
ミステリーランキングに載っているところを見ると、作者はミステリーを書きたかったのでしょうか・・・・。
恋愛か、ミステリーか?はてどっちでしょう?
・・・・ま、面白けりゃ、どっちでもいいか。
これ、映画化されたようですが、咲紗は観ていないのですが、どうやってこれ映像にしたんでしょうか?
ネタバレになってしまうので、詳しいことは書けないのですが、確かに読んでいてちょっと違和感を感じてはいました。
あれ?なんか変だな・・・というちょっとしたことなのですが。
最期を読んだ後、もう一度読み返してみると、ああ、やっぱりここ変だと思ったんだ、と思いますよ。
ところでこの小説、1980年代後半を舞台にしています。
咲紗にとっては、正に青春時代。
だから違和感なく読めました。
今の若い人が読むと、理解できないことが多いのではないでしょうか。
だって巻末に用語の説明が載っているんですもん。
まず、携帯がない時代なので公衆電話でテレカを使うと、長距離だとどんどん度数が減っていく・・・とか
クイズダービーとか(毎週見てたなぁ)
バブル時のカップルのクリスマスの過ごし方(一流ホテルでディナー)とか
あとなんといっても「男女7人夏物語」!
懐かし~♪
今の人たち、知らないですよねー。
明石家さんまと大竹しのぶが共演し、結婚したきっかけになったドラマなのですよ。
もうほんとに大好きでした。
ああ、あと車ではCDではなくてカセットをかけるとか、合コンの様子とか、皆で海に行くとか
まさにこんな感じだったよな~、といろいろ思い出して、なつかしさ満載です。
咲紗の年代の人が読むのと、今の若い人たちが読むのとでは、ずいぶんこの作品、受ける印象が違ってくるでしょうね。
懐かしい気分にどっぷり浸ってしまいました。
ちなみにこの作者、女性だとばかり思っていましたが男性なのですね。
そこもだまされました。
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