咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

塩野七生

ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀②  塩野七生  新潮社

さて、続きです。 トライアヌスの後に皇帝となったハドリアヌスは、思いがけず皇帝となったトライアヌスと違って、皇帝になる野望を持っていました。 この人も良く頑張った人で、あの広大なローマ帝国を、隅から隅まで視察の旅で大半を過ごしたのです。 もち…

ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀① 塩野七生  新潮社

ドミティアヌスが死んだ後、皇帝になったネルヴァは、最初から高齢だったため、1年半で死んでしまいました。 よって特に何をする暇もなかったのですが、悪いこともせず、この人から5賢帝の時代に入ります。 次のトライアヌスは、初めての属州出身の皇帝と…

ローマ人の物語 Ⅷ 危機と克服②  塩野七生  新潮社

さて、続きです。 急逝したティトゥスの後を継いだ弟のドミティアヌスは、まさかこんなに早く兄が死ぬとは思っていなかったようです。 そして周りもまた思っていなかったので、あまり皇帝になる準備をしていなかったようですが、それでもがんばりました。 し…

ローマ人の物語 Ⅷ 危機と克服① 塩野七生  新潮社

ネロが死んだあと、アウグストゥスの血を引く者が皇帝となる時代は終わりました。 しかしここから、混迷の時代が始まります 。 結局、思いもかけず皇帝になった人間は、良き政治を行うことよりも、自分の立場に溺れることが先のようです。 ネロの後、皇帝に…

ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち⒄~⒇ ②  塩野 七生

2005年9月1日 新潮文庫 さて、続きです。 4代目皇帝 クラウディウス クラウディウスは、3代目皇帝カリグラの叔父にあたり、ゲルマニクスの弟でした。 カリグラが殺されたとき、彼は思いがけず皇帝にまつりあげられましたが、この時すでに50歳。 子供の時小…

ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち⒄~⒇ ①  塩野 七生

2005年9月1日 新潮文庫 長い「ローマ人の物語」もようやく中盤まできました。 今まで順調に発展してきたローマですが、この辺からだんだん怪しくなってきます。 いや、国はいいのですが、治める人が・・・。 それでは、アウグストゥスより後のローマの皇帝た…

ローマ人の物語 パクス・ロマーナ② 塩野七生

2014年8月22日 新潮社 kindle さて、続きです。お待たせいたしました。 初代皇帝として、優れた手腕を発揮し続けるアウグストゥス。 しかしこの人、ものすごく身体の弱い人でした。 お腹が弱かったらしく、カエサルに連れられて戦場に行った時もお腹を壊しま…

ローマ人の物語 パクス・ロマーナ①  塩野七生

2014年8月22日 新潮社 kindle ここ数日、ブログの方を少しお休みさせていただいて読書に集中。 蓄積を増やすため頑張ろう・・・と思ったのですが、この「ローマ人の物語」でほとんど終わってしまいました。 だって長いんだもん、この作品・・・。面白いから…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以後⑤  塩野 七生

はい、続きです。 アントニウスがクレオパトラを呼び出した目的は、自分の味方につけることだったのですが、なにしろ相手はあの聡明なことで有名な女王様。 アホ極まりないアントニウスが太刀打ちできるわけはありませんでした。 おそらくクレオパトラはアン…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以後④  塩野 七生

さて、続きです。 ものすごく突然ですが、オリラジ中田さんがYouTubeで言っていたのですが、カエサルは生まれた時、お母さんのおなかを切って生まれてきたそうです。 そこでカエサルにちなんで、そのような出産のことを「帝王切開」と呼ぶになったのだそうで…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以後➂  塩野 七生

2014年7月25日 新潮社 kindle さて、続きです。 ローマに帰ったカエサルは、終身の独裁官となり、様々な改革に乗り出しますが、まずはポンペイウス軍の残党をアフリカで倒さなければなりませんでした。 それもようやく終わり、ローマでそれはそれは華々しい…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以後②  塩野 七生

2014年7月25日 新潮社 kindle さて、続きです。 いよいよ、カエサルとポンペイウスの直接対決となります。 この戦いはあまりにもいろいろのことがあって、とても書ききれませんが、とにかく壮絶であり、作戦につぐ作戦、駆け引きという駆け引き、運という運…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以後① 塩野 七生

2014年7月25日 新潮社 kindle 知れば知るほど、カエサルってかっこいい~。すてき~♪ 正に男の中の男、できる男だ~。女が放っておけないのも無理はありません。 カエサルの生きた時代は、ローマ史、いや世界史でも最も重要なところだというだけあって、まる…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)② 塩野七生

賽は投げられた さて、続きです。 ついに、カエサルとヴェルチンジェトリックスの対決となります。 カエサルは戦闘の時はいつも、紅の大マントをはおります。 敵の注意を引く危険はあっても、これだと味方の兵士からいつでもどこでもカエサルの姿が見えるか…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)① 塩野七生

2004年9月1日 新潮文庫 知れば知るほど、かっこいいカエサル。 カエサルが優れていたのは、なんといっても情報を集めることの重要さをよく知っていたことでしょう。 カエサルは情報力を駆使して、ガリア人やゲルマン人の動き、そして地図も完全に頭の中に入…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) 塩野七生

2004年9月1日 新潮文庫 さて、続きです。 スペインから戻ったカエサルは、「三頭政治」を成立させます。 若き軍事の天才で、人気絶大のポンペイウスと、大金持ちクラッススの間でひそかに協約を結び、元老院に対抗する政力を作り上げたのです。 そして自分は…

ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) 塩野七生

2004年9月1日 新潮文庫 ユリウス・カエサルは、紀元前100年という覚えやすい年に産まれました。 家は名門ではありましたが、あまり経済状態は良くなく、いわゆる高級住宅地ではなく庶民的な「スブッラ」に住んでいました。 母は学者一家の生まれで、法学者と…

ロードス島攻防記  塩野 七生

1991年5月25日 新潮文庫 日本人にはなじみがないのではないでしょうか? ロードス島で起こったこの激しい戦争と、聖ヨハネ騎士団。 この本を読んで、咲紗も初めて知りました。 テンプル騎士団は知っていましたが、聖ヨハネ騎士団は医療の仕事をしていたそう…

ローマ人の物語 勝者の混迷 上・下  塩野 七生

2002年9月1日 新潮文庫 前回の「ハンニバル戦記」の主役、カルタゴの名将ハンニバルが、こんな言葉を残しています。 「いかなる強大国といえども、長期にわたって安泰であり続けることはできない。国外には敵を持たなくなっても、国内に敵を持つようになる。…

ローマ人の物語 ハンニバル戦記 上・中・下②  塩野 七生

2002年7月1日 さて、ローマの名称の一人であり、後に「スキピオ・アフリカヌス」と呼ばれるようになる、スキピオが登場します。 この人は貴族の出で、育ちがよく、人から好かれるといういい性質を持っており、なかなかのイケメンだったそうです。 その人から…

ローマ人の物語 ハンニバル戦記 上・中・下① 塩野 七生

2002年7月1日 新潮文庫 紀元前264年から、第一次ポエニ戦役が始まります。 シチリアをめぐり、ローマとカルタゴの間で紛争が起きたのです。 カルタゴは当時アフリカで最も栄えた大国であり、海での戦いに優れており、大きくて立派な軍船を多く持っていま…

ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず② 塩野 七生

2014年4月25日 新潮社 電子書籍版 さて、続きです。 ローマは、七人続いた王政をやめ、共和政時代に入りました。 王の代わりに、二人の執政官が統治し、その執政官は市民集会で選ばれ、人気は一年。 一年ってちょっと短いような気もしますね。なんだか町内会…

ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず①  塩野 七生

2014年4月25日 新潮社 電子書籍版 電子書籍版は2014年ですが、実際は1992年の作品です。 まず、ローマの歴史の始まりは、トロイ戦争にあります。 神話でも有名なトロイの木馬で、ギリシア兵に襲われたトロイは、何とか王とその息子と、わずかな人々が逃げ、…

チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷  塩野七生

1982年9月25日 新潮文庫 昔は世界中どこの国も、他人の土地を奪うことばかり考えていたのですね。 イタリアもたくさんの小国があり、それぞれその国を手に入れようと狙っています。 チェーザレ・ボルジアはものすごい勢いで小国をいくつも我が物にしました。…