君が夏を走らせる 瀬尾まい子 新潮文庫
さて、今回は瀬尾まい子先生の「君が夏を走らせる」です。
16歳の金髪不良少年の太田君は、先輩の、1歳10カ月になる娘の鈴香の面倒を見るというアルバイトをする羽目になります。
太田君は不良ではあるけれども、中学3年の時、駅伝を経験したことによって、普通の不良とはちょっと違い、一本芯の通っているところがあります。
だからこそ先輩も、彼を見込んで頼んだのでしょう。
この駅伝の話は、「もう少し、あと少し」という作品に載っているようです。
まだ未読なので、いつかは読んでみたいですね。
さて、面倒を見る鈴香に振り回されながらも、頑張る太田君。
ベビーフードは美味しくないと言って、ちゃんと手作りご飯をつくったり、公園に行って、ママ友と会話したり、鈴香と一緒に遊んでくれる子供たちを肩車したり・・・・
涙ぐましい奮闘を見せるのです。
本当の母親でもなかなかこうはいかないという、上手な子育て。
誰に教わったわけでもないのに、本能的に鈴香を育てる太田君が凄いです。
そんな太田君が落ちこんだときに、鈴香が一生懸命「なーなーだ」と言って、「いないいないばあ」をして、太田君がほほ笑むまで繰り返すところは涙が出てしまいました。
太田君も鈴香を抱きしめます。
太田君と鈴香の間には、いつの間にか信頼と深い愛情が芽生え始めていました。
そして太田君の中で、また大切な何かが少しずつ変わっていきます・・・・。
暖かくほのぼのとして、良いお話でした。
瀬尾まい子さんの作品って、まだ3冊くらいしか読んだことはありませんが、どれも暖かくていいなぁ。
それにご飯の描写がとっても豊かで、おいしそうなのです。
人間は美味しいご飯を食べることが大事なのだと教えてくれているようです。
すっかり瀬尾まい子さんの大ファンになってしまいました。
太田君はきっと将来、良いパパになるでしょう。
癒されたいときに、ぜひこの作品を読んでいただくことを推奨します。
癒し度100%です。
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