ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず① 塩野 七生
2014年4月25日 新潮社 電子書籍版
電子書籍版は2014年ですが、実際は1992年の作品です。
まず、ローマの歴史の始まりは、トロイ戦争にあります。
神話でも有名なトロイの木馬で、ギリシア兵に襲われたトロイは、何とか王とその息子と、わずかな人々が逃げ、ローマの近くの海岸にたどり着きました。
その後、ローマを建国したロムルスは、ギリシア神話上の人物とされていますが、実際にはわかりません。
ただ、このロムルスの名をとって、ローマと名づけられました。
最初ローマは王政をとっており、王と元老院と市民集会という三本の柱に支えられていました。
王は市民集会で投票によって選ばれ、各家門の長で成り立つ元老院の助言を受けて王が考えた政策を、市民集会が承認するという政体でした。
ところで、当初ロムルスに率いられてローマに移住した人々は、どうも男性ばかりだったようです。
それではいずれ滅んでしまいますよね。
そこでロムルス率いる男性たちは、近くに住むサビーニ族の女性たちを、夫がいるいないにかかわらず強奪し、妻にしてしまったのです。
怒ったサビーニ族の男たち(そりゃ怒るわな)と、四回にわたって戦闘が起こりましたが、和平が成立し、サビーニ族をローマに併合する形となり、サビーニの王と共同当時をとることにした、とのこと。
このことからもわかるように、ローマという国の考え方は、戦いで自分たちに負けた人々を、決して奴隷にせず、自分たちと同じローマの市民権を与え、元老院にも行け入れ、自分たちと同化させるというものでした。
これが、ローマを強大にしていくことにつながっていくのです。
また、ローマは多神教でした。
この点は、八百万の紙を持つ日本と似ていますね。
王政はここまで。この次は共和制の時代に入ります。