咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

江戸川乱歩「空中紳士」貴重な合作小説

こんにちは、咲紗(サーシャ)です。 さて、今回読了したのは、江戸川乱歩の「空中紳士」です。 作品概要 あらすじ 読後に感じたこと 作品概要 昭和4年。まだ戦争前の作品ですね。 すっごく面白かったです。一気に読んでしまいました。 あまり聞いたことな…

君が夏を走らせる   瀬尾まい子    新潮文庫

さて、今回は瀬尾まい子先生の「君が夏を走らせる」です。 16歳の金髪不良少年の太田君は、先輩の、1歳10カ月になる娘の鈴香の面倒を見るというアルバイトをする羽目になります。 太田君は不良ではあるけれども、中学3年の時、駅伝を経験したことによっ…

ぶたぶたさん   矢崎在美

ん? なんだこれは・・・? かわいいぶたのぬいぐるみが、生きて動いている。 しかも、中年のおじさんで、妻と二人の娘がいる(???) そして、いろんな職業に就き、いろんな場所に出没します。 なんだ、なんだ、なんだ・・・ファンタジーなのかな?これは…

幻色江戸ごよみ  宮部みゆき  新潮文庫

1月から12月まで、12カ月を12編の、少し不思議なお話が書かれています。 どのお話も文句なく面白いです。 人情物から、少し切ないお話から、様々です。 第2話「紅の花」 これはひどすぎます。 真面目に生きている主人公がかわいそうすぎます。 病弱…

リベルタスの寓話  島田荘司  講談社文庫

御手洗潔シリーズです。 グロい! とにかくグロい! 人間の内臓全部出して、そこに別のもの突っ込むんですよ~(>_<) それで人形を作るんだって。 よくこんなことできるな。 グロいという前知識なしで読んだから、いきなり出てきて「ぐぇ~・・・」という感じ…

陰陽師 生成り姫  夢枕獏  文春文庫

大好きな陰陽師シリーズ、初の長編です。 読んでいて、なんか読んだことあるなぁ、と思ったら、短編「鉄輪(かなわ)」を長編にしたものでした。 たしかにこの「鉄輪」はすごいインパクトのあるお話でした。 よく覚えていました。 特に、冒頭の丑の刻参りの…

本所深川ふしぎ草子  宮部みゆき  新潮文庫

大好きな宮部みゆきの時代もので短編集です。 江戸の本所七不思議を題材にした、7つの物語です。 ここに出て来る岡っ引きの茂七親分は、「ぼんくら」シリーズの平四郎の先輩として、名前だけ出て来る人です。 政五郎はこの人の部下です。 平四郎が尊敬し、…

八月の銀の雪  伊予原新  新潮社

これも今年度本屋大賞ノミネート作品で、6位だった作品です。 それぞれに悩みを抱える人々が、ある出会いと、科学によって、小さな一歩を踏み出す短編集です。 心温まるいいお話ばかりでした。 You Tuber のマサキBooks さんは、自身と似た境遇の表題作が好…

劇場  又吉直樹  新潮文庫

う~ん・・・・ちょっと・・・・これは・・・・ 主人公の男がクズ過ぎるんですけど!!! こういう男、一番嫌いなタイプだなぁ・・・・ 演劇の脚本を書いている主人公と、その才能を信じて支える、天使のような女の子、沙希。 もちろん脚本は不評で、全然食…

最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ  椹野道流

前回ですっかり、お兄さんの一憲のファンになってしまいましたが、今回でますます大ファンになってしまいました! 一憲さんステキ! 何ていい人!! 今回は、お兄さんの高校時代の親友が、刑事になっていて、偶然「ばんめし屋」の隣の警視庁に勤務していて、…

御伽草子  太宰治  青空文庫

カチカチ山 瘤取り 浦島さん 舌切雀 カチカチ山 カチカチ山を太宰が解釈したらこうなるんだな、という感じです。 カチカチ山はかなり残酷な話ですが、タヌキがおばあさんを殺してその肉をおじいさんに食べさせるという、子供に読ませていいのか、思うくらい…

とある魔術の禁書目録④  鎌池和馬  電撃文庫

このシリーズ、4巻まで読みましたが、1~4まで、舞台が同じ夏休み期間内と知って驚きました。 要は、話から話までの間がほんの数日という設定なのです。 しらべてみたら、このシリーズ50巻以上ありますが、全部そんな感じで、話の最後までもほんの3~4カ…

ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀②  塩野七生  新潮社

さて、続きです。 トライアヌスの後に皇帝となったハドリアヌスは、思いがけず皇帝となったトライアヌスと違って、皇帝になる野望を持っていました。 この人も良く頑張った人で、あの広大なローマ帝国を、隅から隅まで視察の旅で大半を過ごしたのです。 もち…

ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀① 塩野七生  新潮社

ドミティアヌスが死んだ後、皇帝になったネルヴァは、最初から高齢だったため、1年半で死んでしまいました。 よって特に何をする暇もなかったのですが、悪いこともせず、この人から5賢帝の時代に入ります。 次のトライアヌスは、初めての属州出身の皇帝と…

ライオンのおやつ  小川糸   ポプラ社

素晴らしいお話でした。 もしかしたら、今年読んだ中で1番かもしれません。 本の後半は、もう号泣で、涙が止まりませんでした。 2020年度本屋大賞第2位だったとのこと、1位でもおかしくないくらい素晴らしい作品です。 まだ33歳という若さで、ガンのため…

百寺巡礼 第三巻 京都Ⅰ②  五木寛之  講談社文庫

さて、続きです。 第二十六番 東本願寺 第二十七番 西本願寺 第二十八番 浄瑠璃寺 第二十九番 南禅寺 第三十番 清水寺 第二十六番 東本願寺 親鸞は、旅をしながら布教し、死んでも石碑は簡素なものでした。 それを六角の廟堂を建てて移したのが、本願寺の元…

百寺巡礼  第三巻 京都Ⅰ①  五木寛之  講談社文庫

大好きなエッセイ、第三弾。今回は私にはなじみの深い京都です。 相変わらずダンディで素敵な五木先生のお写真に見とれながら読みました。 第二十一番 金閣寺 第二十二番 銀閣寺 第二十三番 神護寺 第二十四番 東寺 第二十五番 真如堂 第二十一番 金閣寺 金…

日本国記  百田尚樹   幻冬舎

日本の通史です。 通史なので、一時代ずつ、さっと要点のみですが、半分以上が江戸時代から近現代で占められています。 やはり、残っている資料とかの差でしょうか。 古代になるとどうしても資料が少なく、推測でしかないので致し方ない面もありますが、もし…

☆ブレイクタイム☆ ~咲紗のひとりごと~ 併読ってしていますか?

久々の、咲紗(サーシャ)のブレイクタイムです。 皆様、読書ライフを満喫していらっしゃいますでしょうか? さて、早速ですが、皆さんは本を読むとき、併読ってしますか? それとも一冊読み切るまで他の本は読みませんか? 併読とは、2冊以上の本を同時進…

日の名残り  カズオ・イシグロ   早川書房

2017年ノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロさんの作品。 映画にもなりましたね。アンソニー・ホプキンズが、イメージぴったりです。 カズオ・イシグロは、5歳の時、長崎からロンドンへ渡り、ナイトの称号まで受けた方です。 いくら5歳からロンドン…

写楽 閉じた国の幻(上)(下)  島田荘司  新潮文庫

島田荘司先生の作品の中では、あまり上位に入ってこない作品だけど、読んでみて、確かに御手洗潔シリーズとは全然違いました。 六本木のビルの回転ドアに息子が挟まれて死んでしまった、歌麿研究者の佐藤。 これは実際にあった事件をもとにしているようです…

お文の影   宮部みゆき   角川文庫

大好きな宮部みゆきの時代もの短編集です。 今回はちょっと今までと違って、人気シリーズのキャラクラ―が出て来るスピンオフみたいな作品がありました。 私はみんな知っているので面白いですが、知らない人でも全く影響なく読めます。 「坊主の壺」は、これ…

最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ  椹野道流  角川文庫

シリーズ3作目です。 今回は、海里のお兄さんの婚約者、奈津がやってきます。 もちろん、幽霊ではありません。 なんと獣医さんだとか。とてもいい人なのです。 まー、お兄さん、堅物だと思っていたのに。 しっかり婚約しちゃって、しかも彼女と一緒にパンケ…

やめてみた 本当に必要なものが見えてくる、暮らし方・考え方  わたなべぽん 幻冬舎

作者の方が、日常生活の中で「やめてみた」ものに関するエッセイです。 「やめてみる」ことで、生活を見直し、よりシンプルにすることで、美しい生き方、暮らし方を追求しています。 なかなか面白いし、参考になるものもありました。 共感できたのは、ゴミ箱…

妖怪アパートの幽雅な日常③  香月日輪  講談社文庫

なんか今まで以上に、ものすごく短く感じました。 面白くて、あっという間に読んでしまったからですね。 今回は、夕士の学校の事件(?)がメインなので、あまりアパートの住民の活躍はありませんでしたが。 でも、一つ目巨人の又十郎さん登場。 そして、圧…

詩的私的ジャック  森博嗣  講談社文庫

このS&Mシリーズ、ファンの方には申し訳ないけれど、私的には読むのが若干辛くなってきたかも。 私、犀川があまり好きではない、ということに気づきました。 なんかこの人、あんまり人間味を感じられないんだよな~。 あまりにも頭が良すぎて、理系人間すぎ…

津軽   太宰治  青空文庫

いや、もう・・・まいった。 古い文学全集は、字が小さいのは我慢できても、字の薄いのだけは我慢できません。 印刷技術が悪かったのでしょうか。 もう見えなくて、全然読めません。 ついにkindleの、青空文庫に切り替えて読むことにしました。 旧仮名遣いで…

人間失格  太宰治  河出書房 日本文学全集34より

この辺りで、古典作品にチャレンジしていこうと思います。 我が家に古くからある、日本文学全集を制覇していきたいです。 さて、太宰治の代表作であり、あまりにも有名なこの作品。 内容は知っていましたが、きちんと読むのは実は初めてでした。 ピース又吉…

かまいたち   宮部みゆき  新潮文庫

やっぱり面白いな~。宮部みゆきの時代ものは。 ただ、今回、ブックオフですごく古い版の本を買ってしまったら、字がちっちゃくて読むのがつらかった~。 ああ、ついに老眼かしら・・・ 古い版のものって、なんであんなに字がちっちゃいんでしょうね。 昔は…

図書館の魔女 烏の伝言(つてごと)(上)(下)  高田大介  講談社文庫

「図書館の魔女」の続編です。 戦争は回避されましたが、政権が変わって混乱したニザマと、その周辺の、混乱し荒れ果てた港町が舞台です。 欲もここまで荒れたものだと思うくらいの荒れようで、正に荒廃という言葉がぴったりとなってしまったニザマ。 そして…