咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

海外もの

日の名残り  カズオ・イシグロ   早川書房

2017年ノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロさんの作品。 映画にもなりましたね。アンソニー・ホプキンズが、イメージぴったりです。 カズオ・イシグロは、5歳の時、長崎からロンドンへ渡り、ナイトの称号まで受けた方です。 いくら5歳からロンドン…

僧正殺人事件  ヴァン・ダイン  鈴木幸夫訳  グーテンベルク21

正に古典ミステリ。 kindleになったのが2003年ですが、実際は1929年の作品です。 作品中のヴァン・ダインが「私」という語り手として登場するのですが、面白いくらいに存在感がなしです。 まれ~に、主人公のファイロ・ヴァンスが「ねぇ、ヴァン」と話しかけ…

カササギ殺人事件(上)(下) アンソニー・ホロヴィッツ 山田蘭訳  創元推理文庫

2019年本屋大賞翻訳部門第1位作品。 珍しく、作中作作品となっています。 上巻が作中作、下巻が実際に起きた事件となっています。 綾辻行人著「迷路館の殺人」もちょっとそれっぽかったですよね。 上巻の作中作で起きた事件の結末の章が、ごっそり抜けてい…

Yの悲劇  エラリー・クイーン  鮎川信夫訳  創元推理文庫

高校生の時に1度読んで、衝撃を受けた作品です。 今読み返してみると、こんなに差別用語満載だったのかと、ちょっとびっくりしました。 こんなのがよく平気で出版されていたものです。 今だったらどれだけ批判を被ることでしょうか。 作者がそうなのか、訳…

エジプト十字架の謎  エラリー・クイーン

1959年9月25日 創元推理文庫 綾辻行人先生の「十角館の殺人」で、ミステリー同好会の学生たちが様々な有名ミステリー作家の名前をニックネームにしてそれぞれ呼び合っていました。 アガサにポウ、カー、ドイル・・・その中で、結構重要な役割を演じる学生に…

オズの魔法使い  ライマン・フランク・ボーム

2012年8月1日 新潮文庫 子供のころ、何度も読んでは最初の方で挫折していた作品です。 なのでもっと長いお話かと思っていましたが、今読んでみると、意外と短いのでびっくりしました。 何度も映画化もドラマ化もされていますね。 ジュディ・ガーランドの映画…

クマのプー  A・A・ミルン

2017年6月25日 森 絵都 訳 角川文庫 言わずと知れたディズニーの「くまのプーさん」です。 1926年に発表され、日本では石井桃子訳の「クマのプーさん」があったそうですが、著作権が切れた関係でどうやら他の訳文でも出せるようになったらしいです。 前回ご…

ジーキル博士とハイド氏  スティーヴンソン 

1967年2月28日 田中 西二郎 訳 新潮文庫 二重人格の代名詞ともなっている、このあまりにも有名な作品ですが、スティーブンソン原作とは知らなかった咲紗。 なんてこと!なんて勉強不足。 「宝島」みたいな冒険ものばかりだと思っていました。 まだまだ修行が…

クリスマス・キャロル  チャールズ・ディケンズ

2009年10月23日 池 央耿 訳 光文社古典新訳文庫 kindle 実はこの作品は、「河出書房新社 世界文学全集6 ディケンズ 1961年3月30日版 皆河宗一訳」で途中まで読んだのです。 が、あまりの翻訳の意味の分からなさにほとほと嫌になり、ついに上記の別の訳者の…

星の王子さま  サン・テグジュベリ

2006年4月1日 河野万里子 訳 新潮文庫 60年以上も前の作品で、新訳としてまた発売されたのが本書です。 挿絵はサン・テグジュベリ本人のもので、とてもきれいな本です。 聖書の次に読まれているという世界の大ベストセラーですね。 短くて、ほんの数時間でパ…

不思議の国のアリス  ルイス・キャロル

2010年2月25日 河合祥一郎 訳 角川文庫 1865年に発表された、あまりにも有名な作品です。 が、今まで子供向けのものしか読んだことがなく、それだって最後まで読めたためしがありませんでした。 なぜか。 これ、子供が読むと意外と面白くないのです。 どちら…

新版 指輪物語 王の帰還(上)(下) J.R.R.トールキン

1992年7月30日 瀬田貞二・田中明子 訳 評論社 ついに!ついに読み終えました! いや~、長かった・・・。フロドの旅のように長かったです。 全9冊!結構1冊1冊ボリュームがあるので、すっごく時間がかかりました。 ついに指輪大戦争が起こり、フロドとサ…

新版 指輪物語 二つの塔 下 J.R.R.トールキン

1992年7月30日 瀬田貞二・田中明子 訳 評論社 今回は、フロドとサムの物語です。 とりわけ、忠実なサムが大活躍します。 旅の一行と離れて滅びの山へ向かう二人ですが、以前の指輪の持ち主で、以前は人間でしたが今は化け物と化したゴクリに後をつけられてい…

新版 指輪物語 二つの塔 上1・上2  J.R.R.トールキン

1992年7月30日 評論社 瀬田貞二・田中明子 訳 ついにバラバラになってしまった旅の一行。 この2冊は、なんとフロドが出てきません。 メリーとピピンはオークたちに連れ去られてしまい、それを追うアラゴルンたちですが、その旅の過酷なこと。 ボロミアは命…

新版 指輪物語 旅の仲間 下1・下2  J.R.R.トールキン

1992年7月30日 評論社 瀬田貞二・田中明子 訳 話が進むにつれ、ほんとに大変ですねぇ・・・と主人公たちに言ってあげたくなります。 一体いつになったら目的地につくのやら。 旅の仲間が4人から9人に増え、頼りになる道案内アラゴルンがいてくれるとはいえ…

新版 指輪物語 旅の仲間 上1、上2  J.R.R.トールキン

1992年7月30日 評論社 瀬田貞二・田中明子 訳 全部で9冊ある中の最初の2冊です。 以前、友人が「いつ面白くなるかずっと待ちながら読んだけど、一向に面白くならなかった」と言っていたので、どうかなあ、と思って読んだら、ものすごく面白いではないです…

大草原の小さな家②  ローラ・インガルス・ワイルダー

1972年8月10日 恩地三保子訳 福音館書店 前回から続きます。 ローラの生きた時代は、今から150年近くも前のこと。 今の大都会アメリカからは考えられないような生活環境です。 ネイティブアメリカンとはこうだったのか、ということがわかります。 家の中に入…

大草原の小さな家①  ローラ・インガルス・ワイルダー

1972年8月10日 恩地三保子訳 福音館書店 この本は、私が幼稚園くらいの時からずーっと家にありました。 実に40年! 何度か読もうとしたのですが、数ページでいつも挫折し、読めたためしがありませんでした。 この歳になって初めて読み終え、分かったことは、…

バスカヴィル家の犬  コナン・ドイル  

延原 謙 訳 1954年5月10日 新潮文庫 シャーロック・ホームズもので有名な作品ですね。 これは1901年の作品だそうです。実に119年前! それなのに今も広く読まれ続けているのはすごいことですね。 でも、実は私はシャーロック・ホームズ物があまり好きではあ…

インフェルノ 上・下  ダン・ブラウン 

越前敏弥 訳 2013年11月28日 角川書店 「ダ・ヴィンチ・コード」でおなじみ、ラングドン教授シリーズ第4弾。 シリーズ毎回そうですが、相変わらずラングドンは世界中を走り回り、芸術や歴史をもとにいろんなことを考えさせられ、逃げたりなんだり忙しいです…

はてしない物語  ミヒャエル・エンデ

上田真而子・佐藤真理子 訳 1982年6月7日 岩波書店 皆様、あけましておめでとうございます。咲紗(サーシャ)です。 今年もよろしくお願い致します。 さて、この「はてしない物語」は素晴らしい本です。 初めて読んだとき、衝撃が走りました。 最初は図書館…

マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと ジョン・グローガン

2009年3月15日 第一版 早川書房 古草秀子 訳 なんてすばらしい本でしょうか! この一冊で、思いっきり笑って思いっきり泣きました。 本当に素敵な本です。ずっと大切にします。 でも割と読むのに時間がかかってしまいました。 なぜか。 電車の中で一切読めな…

白い犬とワルツを   テリー・ケイ

1995年3月25日 第1版 新潮社 兼武進 訳 こんにちは、咲紗(サーシャ)です。 前に読んだ「模倣犯」があまりにも悪意に満ちていたので、ほのぼのとしたものを読みたいと思い、手にした作品です。 2匹のチワワが家族の仲間入りをしてから、動物ものに興味がわ…