大草原の小さな家① ローラ・インガルス・ワイルダー
1972年8月10日 恩地三保子訳 福音館書店
この本は、私が幼稚園くらいの時からずーっと家にありました。
実に40年!
何度か読もうとしたのですが、数ページでいつも挫折し、読めたためしがありませんでした。
この歳になって初めて読み終え、分かったことは、この本、一応児童向けとはなっていますが、子供には無理です。
内容が決して子供が興味を持つようなものではなく、大人ならまだしも、子供では退屈を感じてしまうでしょう。
しかし、40年もの間、よくこの本は処分もされず我が家の本棚にあり、どこに引っ越しても必ずついてきたものです。
40年間、私が表紙を開けて読むのを、正にずーっと待っていたわけです。
この一家は、NHKの海外ドラマ「大草原の小さな家」でも知られた、あまりにも有名な一家ですね。
しかし大草原に行く前は、おじいちゃん、おばあちゃんやいとこたちが近くに住んでいたとは知りませんでした。
ローラに親戚など初耳です。
馬車で旅をするのですが、ブルドックのジャックを馬車に乗せてやらずにずっと走らせ、かわいそうにジャックは脚が痛くてたまりません。
挙句の果てに、大きなクリーク(河)を渡るときも、ローラが「ジャックをのせてやって」と頼んだのに、とうさんもかあさんも無視。
TVではあんなにやさしい父さん母さんなのに。
案の定ジャックはいなくなってしまい、ローラが悲しんでいると、「ジャックは天国へ行ったのよ」で済ます。
外人ってなんでも天国とか神様を出せば許されると思っていますよね。
ジャックは最終的には帰ってきますが、ひどい話です。
しかし、とうさんとかあさんは良く働きます。
とうさんは、丸太小屋も馬小屋も、家具も、暖炉から煙突からベッドから、何から何まで作り、挙句の果てに井戸まで掘るのです。
かあさんも、電気もガスもないところで料理はもちろんアイロンまでかけ、必要とあらば鉄砲もぶっぱなし、畑も耕し、本当に休む暇もありません。
見渡す限りの大草原しかなく、いるものといえば動物と先住民たち(この本は昔のものなので、インディアンという表現を使っています)くらいで、メアリーとローラはただただ自然だけを友として過ごします。
これ、お互い姉妹がいなかったら寂しくてやっていけなかったでしょうね。
感想は、次回に続きます。