リベルタスの寓話 島田荘司 講談社文庫
御手洗潔シリーズです。
グロい!
とにかくグロい!
人間の内臓全部出して、そこに別のもの突っ込むんですよ~(>_<)
それで人形を作るんだって。
よくこんなことできるな。
グロいという前知識なしで読んだから、いきなり出てきて「ぐぇ~・・・」という感じになりました。
でもそこをぐっと我慢して読み進めると、ムチャクチャ面白いのです。
前編と後編に分かれた話の間に、別のお話が来るという、ちょっと変わった形式でした。
どちらの話も、御手洗は外国の大学に行っていて、それぞれ電話で解決を導いています。
すごいぞ、御手洗。
正に、こういうのを安楽椅子探偵というのでしょうか。別に座っていたわけではないですが。
この人はどこへ行っても言葉に不自由しない、正に天才ですね。
私は、御手洗は日本の推理小説中で、一番頭のいい人ではないかと思っています。
ほかにも、探偵と言えば、明智小五郎、金田一耕助に始まり、現代では火村英生、鹿谷門実、犀川助教授、あとはえーとえーと・・・・・いっぱいいすぎて・・・・
とにかく、御手洗潔はこのなかでも群を抜いて、トップクラスの頭脳なのです。
ところで、私はクロアチアとか、こういうところの歴史を全然知らないので、ちょっとびっくりしてしまいました。
こういう悲劇があったとは・・・・日本では考えられないことです。
本当に世界でこんなことが行われているなんて、しかもそれほど昔のことではないのです。
かなりショッキングでした。でもこれが世界の現実なのですね。
また、今回はゲーム内の仮想通貨が大きな鍵を握りますが、こういう世界も私は全くわかりません。
仮想通貨って偽物のお金でしょ?それがどうして現実のお金になるのか・・・・そもそもそこから、咲紗はよくわかっていません。
島田先生はほんとうによく勉強なさっていらっしゃいます。
凄すぎます。
犯人と思しき男が実際に犯行をするところは、あまりにも凄すぎて、途中までゲームの世界の出来事だと思っていました。
この犯人の異常性は凄すぎです。
でもこの犯人をこんな風にしたのは、この悲惨な歴史なのです。
もう一つのお話も、悲惨な歴史から、表面では仲良くしていても、心の奥では憎みあう2人の物語です。
この中で、御手洗がいない中、必死で事件に挑む石岡さんがかわいいです。
この2人、「異邦の騎士」で出会ってから、もう30年も友達でいるそうです。
2人とも、何歳になったんでしょうね?
今回も文句なく面白い、御手洗潔シリーズ。グロいの覚悟で、ぜひおすすめしたい一冊です。
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