インフェルノ 上・下 ダン・ブラウン
越前敏弥 訳 2013年11月28日 角川書店
「ダ・ヴィンチ・コード」でおなじみ、ラングドン教授シリーズ第4弾。
シリーズ毎回そうですが、相変わらずラングドンは世界中を走り回り、芸術や歴史をもとにいろんなことを考えさせられ、逃げたりなんだり忙しいです。
そして、この作品も文句なく面白いです。
中間くらいでちょっと中だるみがありましたが、下巻に入るとものすごい勢いで、私達読者を、まるでその場にいるかのような臨場感でぐいぐい引っ張ります。
「天使と悪魔」「ダ・ヴィンチ・コード」は面白いですが、「ロスト・シンボル」は駄作(と、私は思うのです。だって、上巻ですでに犯人わかっちゃったし・・・)だったので、今回ちょっと心配していましたが、面白いので良かったです。
今までは必ずラングドンと協力する美女が出てきて、ラングドンと恋をするパターンでしたが、今回は違いました。
美女は出てきますが、今までと違って過去が暗く、ラングドンとも対立する立場にありました。
このラングドン、アメリカ人ですが、性格は非常に日本人っぽいですね。
アメリカ人にしては謙虚で、礼儀正しく、心優しく、人にも良く気を使います。
こんなところが、このシリーズが日本で大人気なゆえんかもしれませんね。
どうしても映画のイメージで、まだ若くかっこいい頃のトム・ハンクスが頭に浮かび、セリフなども全てトム・ハンクスが話しているようです。
今回はダンテの「神曲」がテーマです。
この作品、実は「聖☆おにいさん」にも出てきます。
霊界のガイドブックということになっていて、ベアトリーチェちゃんがかわいい、と言っています。
このベアトリーチェちゃん、実際に本物のダンテが真剣に恋をした相手らしいのですが、彼女はそうでもなかったのか、サッサと別の人と結婚し、おまけに早くに死んでしまったようです。
この「神曲」、相当長い叙事詩だそうですが、機会があったら一度読んでみたいものです。
このラングドンシリーズ、私は好きで全部読破しています。
ダン・ブラウンは本当によく下調べをして、深く勉強していると思います。
そのせいで一作書くのに何年もかかりますが、これだけ調べるとしたら、それも当然でしょう。
それに人を引き付ける書き方がうまいし、ラングドンも非常に魅力的に書かれています。
このシリーズ、次の「オリジン」が出ていますが、残念ながらまだ読んでいません。
早く読みたいですね。
ラングドン教授はいつになったら結婚できるのでしょうか?
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