詩的私的ジャック 森博嗣 講談社文庫
このS&Mシリーズ、ファンの方には申し訳ないけれど、私的には読むのが若干辛くなってきたかも。
私、犀川があまり好きではない、ということに気づきました。
なんかこの人、あんまり人間味を感じられないんだよな~。
あまりにも頭が良すぎて、理系人間すぎて。
あと、ちょっと萌絵も苦手かも。
いや、かわいいんですけどね~。
この人、部外者のくせに捜査現場を見せてもらったり、情報を警察から教えてもらうまで駄々をこねるなど、ちょっと設定としてあり得ません。
そこがこのシリーズの特徴なのだという意見もありますが。
このシリーズで私が好きなのは、あのオシャレな表紙なんですよね。
白っぽくて、理系っぽくて、センスがあってとってもいいです。
ミステリーの内容自体は、今回も非常に面白いです。
そこには文句はありません。
だからとってももったいないな~と思います。
このシリーズは、いつも密室がテーマです。
今回は大学の中の密室が舞台です。
犀川の大学の施設(密室です)で、他大学の女子大生が殺されているのが発見されます。
死体には文字上の傷が残されており、容疑者として、犀川の大学を中退したばかりのロック歌手、結城実が浮上します。
彼の歌の歌詞と、事件の状況が酷使していたからです。
そしてやがて、第2の殺人が・・・・
犀川はすぐ密室の秘密を見破ってしまうけど。
今回、萌絵は犀川への想いに揺れます。
そして国枝助手の思いもかけない萌絵へのアドバイス。
中国に行っている犀川を想う萌絵に
「中国まで行ったら?私なら行くよ」
意外な一面で、びっくりです。
でも、国枝助手ってシリーズの最初からとても魅力的で、私も好きなキャラクターです。
女性が好きな女性、って感じですね。
男性の目から見たらどうなのでしょう。
でも、犀川のどこがいいのかなぁ・・・・
結婚してもあまり幸せにはならないような気がするんだけどなぁ。
しかし、森博嗣先生の作品は、どのシリーズもつながっているので、このシリーズをやめてしまうと他のも読みにくくなってしまうかも。
う~ん、どうするか。
そして相変わらず、森先生の作品は動機がはっきりしません。
犀川は言います。
動機など聞きたくもないし、理解できない。
他人に理解してもらえるくらいなら、人を殺したりしない、と。
まあ、それはそうかもしれないけれど、これはあくまでも推理小説なのだから、そこをあいまいにするのはどうなのか。
読者としては、動機もきっちり知りたいところです。
今回も、あいまいな動機で、そんなことでというような感じで、何人も平気で殺しています。
非常に残酷です。
しかし、今回萌絵は、犀川への想いを強くします。
「先生、私以外のだれとも結婚しないでください」と宣言する萌絵。
犀川もはっきりと否定はしませんが、果たしてこの二人、どうなっていくのか。
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