妖怪アパートの幽雅な日常③ 香月日輪 講談社文庫
なんか今まで以上に、ものすごく短く感じました。
面白くて、あっという間に読んでしまったからですね。
今回は、夕士の学校の事件(?)がメインなので、あまりアパートの住民の活躍はありませんでしたが。
でも、一つ目巨人の又十郎さん登場。
そして、圧倒的な存在感があるのは、やはりお料理上手な、るり子さん!
もう彼女は最高ですね。
彼女は、又十郎さんが持ってきたイノシシ一頭までも料理してしまいます!!!
いや、どうやってさばく・・・・?
それから、コロッケ飯、おいしそ~♪
あと、前の日に出たウニを、お弁当にする夕士が、どれだけうらやましいんでしょうか!
だめだ、このシリーズ読んでると、お腹がすく。
今回もプチ魔導書を使って、事件を解決する夕士ですが、運命の輪の三つ子のガングロ魔女たちがおかしいですね。
それでも、なかなか夕士も、このプチ魔導書を使いこなせるようになってきましたよ。
不思議なアパートの住民たち、アパートには住んでいないけど、不思議な存在の人たちとの交流など、あいかわらず、ほのぼのと、心暖かくさせてくれます。
夕士も、どんどん成長していきますね。
今回、夕士は気づきます。
不思議なものを追い払うことは、魔導書を使ってならできるけれど、本来の人間性まで救えるわけではない、と。
変な霊に付かれた教師を、霊から助けることは出来たけれど、教師の性格、人間性まではどうすることもできなかった夕士。
救えるものもあれば、救えないものもあるのだ、と夕士は気づくのです。
でも、それは仕方ありませんよね。
人間の性格までは、外部の人間がとやかく言っても、そうそう簡単に変えられるものではありません。
そんなちょっとした心の痛みを抱えながら、夕士は成長していきます。
るり子さんのおいしいご飯を食べながら。
ところで、今さらなのですが、この作者、亡くなったそうですね。
まだお若かったろうに・・・・残念です。
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