妖怪アパートの幽雅な日常② 香月 日輪
2009年3月13日 講談社文庫
前回は、主人公・夕士がかなり精神的な成長を遂げますが、今回はムチャクチャ笑えます。
アパートの住人・古本屋が旅先からおまけでもらった本が、実は魔導書で(プチ版だそうですが)夕士はその主になってしまいます。
思いっきり日本の妖怪が出るアパートで、なぜか西洋チックなタロットをもとにした使い魔たちが出てきます。
そして、この使い魔たち、使えません。
まず、代表してフールーという小人が出てきます。
この小人、今後いつも夕士と行動を共にすることとなります。
そして魔導書の案内役でもあります。
筋骨たくましい魔人はスタミナがなく、500円玉を出すのがやっと。
「隠者」はフクロウの賢者が出てきますが、歳をとりすぎていて若干ボケ気味。
「ねじれた男」は長靴をはいたネコが出てきますが、ホラしかふけません。
ケルベロスは地獄の人喰いオオカミなのですが、出てきたらようやく目があいたばかりのかわいい仔犬。成長まであと200年お待ちくださいとのこと。(いや、夕士、死んじゃうし)
「戦車ヒポクリフ」は神の戦車だけど、プライドが高すぎて乗せてくれません。
まあ、どれもこれも個性的ですが、使えない使えない。
しかしそんな彼らを何とか使いこなす力を身につけるため、夕士は秋音ちゃんによる厳しい修行をする羽目になります。
相変わらず楽しいアパートの住人達。
るり子さんのご飯は本当においしそうです。
夕士がうらやましいですね。
ただ、きれいな庭の桜を眺めていると、着物姿の女が逆さづりで目をむいてぶら下がり始めるのはちょっとイヤですが。
そうそう、忘れてた。
「死神」を呼び出してみると、小さい子供みたいなのが現れて「お前は3日以内に死ぬ!」と高らかに宣言した相手は、すでに幽霊のクリ。
ちなみに古本屋はブックマスター、すなわち魔導士。夕士の先輩だそうです。
そしてついに、親友の長谷が妖怪アパートのことを知ることになります。
アパートにやって来て最初こそ腰を抜かさんばかりにおどろいた長谷ですが、ぬけめなくアパートの住人を手なずけ、すっかりなじんでしまうところはさすが。
そしてより友情を深め会った2人。
さてこの魔導書と共にいつもいることとなった夕士。
はてさてこれからどうなることやら。