植物図鑑 有川 浩
2013年1月10日 幻冬舎文庫
まあ、まずありえないお話です。
行き倒れの男が倒れていて、それが若くてなかなかのイケメンで
「よかったら俺を拾ってくれませんか。しつけのできた良い子です。」
と言って、拾ってみたら超料理上手で、家事も何でもやってくれる・・・。
こんなの私も拾いたいです。
ヒロイン・さやかでなくても惚れるでしょう。
恋愛小説としては、いたって穏やかなよくあるお話なのですが
ユニークなのは、拾った青年・イツキが野草オタクで、野草を取って来てはそれをおいしく料理してくれるのです。
しかも、その野草で、お弁当までつくってくれます。(残すとうるさいけど)
基本は恋愛ですが、メインは野草料理なのです。
野草と言っても、ほんとにそのへんに生えているもの。私たちが野草とも知らず、ただの雑草と思っているものがほとんどです。
野草料理はおいしい上にヘルシーで、家計もうき、さやかは3㎏も痩せたとか。
うらやましい。
最後の方に、野草の写真と、一部レシピまでついています。
ふきの混ぜご飯と、ノビルのパスタはおいしそうです。
まあ、料理が死ぬほど嫌いな咲紗はつくりませんが・・・・。
あとはイタドリの炒め物、タンポポの天ぷら、スカシタゴボウのゴマ和え、ユキノシタの天ぷら、クレソンのベーコン炒め、野イチゴのジャム、アップルミントのお茶、イヌビユ柳川風、スベリヒユのカラシ酢味噌和え、ヨモギのお茶と天ぷら・・・・・・
いや、すごい。
本当にそのへんに生えている野草で、ここまでおいしそうな料理ができるとは・・・・。
まあ、作者も良くこれだけご存じなものです。
ちなみに、フキノトウの天ぷらは相当苦いらしいです。
個人的には、タンポポの天ぷら、野イチゴのジャム、クレソンのベーコン炒めなどが興味のあるところです。
なんだか、今まで知らなかった世界を初めて知れた、お得な気分になりました。
野草レシピに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。