笑わない数学者 森 博嗣
1999年7月15日 講談社文庫
犀川先生と萌絵の、S&Mシリーズ第3弾です。
この森博嗣先生は、あまり犯人の動機をはっきりさせませんね。
今回もトリックは見事に解明されましたが、動機はややあいまいでした。
はっきりしていたのは「冷たい密室と博士たち」くらいでしょうか。
しかしこの犀川先生、ちょっとタバコ吸いすぎです。
この作品が書かれたのは1999年なので、まだそこまでタバコにはうるさくなかったころかな・・・?
でも徐々に喫煙者が肩身が狭くなり始めたころじゃなかったでしょうか・・・
この犀川先生、何かあったらすぐ吸い、何もなくてもすぐ吸い、もはや中毒の域に達しています。
タバコを吸っていないときはコーヒー飲みまくり。まあ、お酒よりはいいですが。
萌絵はひたすらこの人が好きですが、もし実際にこの人がいたら、相当にタバコ臭く、コーヒー臭い男なのではないでしょうか。
ちょっとイヤかも。
このシリーズ、あまりにも「すべてがFになる」が強烈な印象の作品だったので、どうしてもそちらと比較してしまいがちですが、まあまあの面白さです。
ただ、今のところ「すべてが~」を超えるものはまだ現れていないですね。
でもこの作品だけで考えると、とても面白かったです。
まず、家ですね。ちょっとネタバレになってしまうので書けませんが、この家のつくりが事件の謎を解くカギとなっています。
でもそれ以外にこの作品の最も大きな謎は・・・うっ、か、書けない。
これをここに書いてしまうと、まだ読んでない方にとっては全く面白くなくなってしまう~・・。
ほんとにミステリーを紹介するのって、難しいです(泣)
今回は、愛すべきキャラクター、萩原刑事が良かったですね。
萌絵も最初の印象は悪いですが、だんだん好きになっていきます。
あまりパッとしないように見せかけて、決める時はズバッと決める。
正に切れ者という感じです。
さて、今後犀川先生と萌絵はどうなっていくのでしょうか。
「イナイ×イナイ」で萌絵が大学の先生になることはわかっているのですがね。