咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

陰陽師  夢枕 獏

1991年2月10日  文春文庫

有名な、あの「陰陽師」の第1作目です。

もうこの題名を見ると、咲紗の頭の中にはフィギュアスケートの羽生弓弦選手の代名詞となったあの音楽が頭の中に流れてきます。

映画は見たことがありましたが、原作を読んだのは初めてでした。

時代は平安だし、イメージからしてもっとおどろおどろしい書き方の小難しいものを連想していましたが、全然違いました。

とっても読みやすくて、陰惨な感じもなく(結構内容は陰惨なのですが、感じさせません)面白くて、あっという間に読んでしまいました。

先入観はいけませんね。

まず、清明と親友の博雅との友情と掛け合いがとってもほのぼのとしていて読んでいてほっこりしてしまいます。

またこの博雅さん、ものすごくマジメで誠実で、そこをよく清明にからかわれるのですが、いい人そのものなのです。

清明も、彼のことが大好きなのがわかります。

平安時代というのは、一見みやびそうですが、やはりまだ文明とはかけ離れており、冬でも家の中は外と気温変わらず、食べ物も質素。

よく博雅が清明の家に遊びに来るとき、酒の肴になるものを持ってきますが、アユとかそういうシンプルなもの。

それをただ焼いて食べるのですが、結構おいしそうです。

夜の暗さはもう眼を開いているのか閉じているのかもわからないほどで、月がなければもうどうすることもできなかったそうです。

そんな時代だからこそ、モノノケ、鬼などの類が身近に感じられ、人々の目にも実際にいろんな不思議なものが見えたのでしょうね。

遠野物語でも感じましたが、現代の私たちが見れば「なあんだ」と思うようなことでも昔の人たちから見れば何かわからないのでひどく恐れたのでしょう。

例えば日食なんかそうですね。

安倍晴明は実際の人物のようですが、現実的にこういう活躍の仕方をしたかどうかはわかりません。

でもこの作品に出て来る生命は実に爽やかで、あっさりと物事を解決していきます。それがとてもかっこいいのです。

化け物もいろんなものが出てきますが、とても短いお話で、人魚の肉を食って死ねなくなった女の話がありました。

人魚の肉を食べると不老不死になるというテーマは、宮部みゆき先生も書いていますし、有名な高橋留美子先生の「人魚の森」シリーズがありますね。

この「人魚の森」シリーズは私の愛読書なので、いつかこのブログでご紹介したいと思っています。

そしてこの「陰陽師」シリーズも、私の愛読書になりました。

これは全シリーズ読破しなければ。

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