最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ 椹野道流 角川文庫
シリーズ3作目です。
今回は、海里のお兄さんの婚約者、奈津がやってきます。
もちろん、幽霊ではありません。
なんと獣医さんだとか。とてもいい人なのです。
まー、お兄さん、堅物だと思っていたのに。
しっかり婚約しちゃって、しかも彼女と一緒にパンケーキのお店にまで行ったとは!
私びっくり、海里もびっくり。
今回は、海里とお兄さんの仲を何とか近づけようと奈津ががんばるのだけれど、お話は2人は少し歩み寄りを見せますが、実際はなかなか難しいですね。
家族の仲がこじれると、修復は他人よりも厄介なものです。
それに私は、海里とお兄さん、どっちの気持ちもわかるなー。
今は親になったから、お兄さんよりかな。
わずか16歳で、夢をあきらめ、ひたすら海里のため、家族のために生きてきたお兄さん。
そんな生き方をしてきたお兄さん、とてもかっこいいです。
が、そんな彼の眼には、弟の行動は、自分の苦労を踏みにじるような行為に見えるのでしょう。
その気持ち、よくわかります。
海里は海里で、彼なりにベストを尽くしているのですが、何をやっても認めてもらえない、というジレンマが強いです。
その気持ちもよくわかります。
そして今回は、夏神さんの辛い過去が明らかになります。
山登りって、悲劇を生みやすいですね。
命がかかっているから、その人の人間性が出るし、結構恐ろしいルールがあったりします。
苦しみ続ける夏神を、海里とロイドは優しく受け入れ、理解しようとします。
山に興味がないわけではありませんが、たぶん一生私は登らないでしょうね。
高尾山くらいなら行ってみたいけど。
私は今回で、お兄さんの大ファンになってしまいました。
だって、なんだかんだ厳しいことを言って、一見わからずやに見えるけれど、捨て子だった奈津を愛し、海里の出ていたTV番組もちゃんとチェックしていました。
いい人ですね。愛情深い人です。
お兄さんがんばれー!
これからどんどん、出番が増えてくれると嬉しいのですが。
ところで、お兄さんと奈津はどうやって知り合ったのかな?
それが出ていなかったのが残念です。
海里も少しずつ成長していますね。
それにしても、このお話に出て来るご飯が、相変わらずどれもこれもおいしそうで、お腹がすくんですよね。
ダイエット中にはあまり良くない本かもしれません。
特に夜に読むと、お腹すいて悲劇が起きますね。
ほのぼのとした、いいお話でした。
さて、今後お兄さんと海里はどうなっていくのか、海里はどう成長するのか、夏神はどうなっていくのか、ますます楽しみなシリーズですね。
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