人間失格 太宰治 河出書房 日本文学全集34より
この辺りで、古典作品にチャレンジしていこうと思います。
我が家に古くからある、日本文学全集を制覇していきたいです。
さて、太宰治の代表作であり、あまりにも有名なこの作品。
内容は知っていましたが、きちんと読むのは実は初めてでした。
ピース又吉の愛読書で、月に一度は読むということでも知られていますね。
彼ほどこの作品を愛し、考察している人もいないでしょう。
私も読んでみて、いや、こんなに面白いとは知りませんでした。
主人公、葉蔵は、「人というものがわからない」と常に思っており、いつの間にか人前で道化を演じることで、自分を守ろうとします。
なぜ、この主人公、葉蔵は、こんなにも人を恐れ、人生を恐れ、理解できないことに悩み苦しんでいるのでしょうか。
そんなことわからなくて当たり前なのに・・・・。
その恐ろしさから逃れるため、あえて道化を演じていますが、成長するにつれ、女に溺れ、借金にまみれ、そしてモルヒネに溺れ・・・・。
これでもかこれでもかというくらい落ちてゆき、そして彼の人生は破綻します。
何がいけなかったのか、というよりは、彼のこの性格が、すでに生まれながら破綻しているとしか言いようがありません。
そう、まさに「人間失格」。
人の世は生きていくことのできない心をもって、生まれてしまったのでしょうか。
ちなみに、太宰治は、この人間失格を書き終えた1か月後に入水自殺しています。
すべてが自分のことを書いているとは思えませんが、ある程度は葉蔵と太宰とは共通点があったということなのでしょうか。
例えば、最初に女性と死のうとして、女性は死んだが自分は生き残ってしまった、というところは自分自身のことを書いていますね。
人は誰でも強くいられるわけではありません、弱いところもたくさん持っています。
でも、こうはなりたくないなぁ、と思ってしまいました。
それにしても、やはり文学作品って面白いんだなぁ、と思いました。
長く愛され続けているのもわかりますね。
夢中で読んでしまいました。
「恥の多い生涯を送ってきました」の最初の一文は有名ですね。
こんな面白い作品を、今までの人生で読んでこなかったなんて、なんてもったいないことをしていたのだろうか、とつくづく思いました。
ああ、まだまだ私は本を読んでいないなぁ。
こんな面白い世界があることを、全然知らずにいました。
これから、どんどん文学作品を読んでいこうと決意しました。
ただ、あまりにも古い本なので、字がちっちゃくて、しかも印刷が薄くてまいりました。
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