ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず② 塩野 七生
2014年4月25日 新潮社 電子書籍版
さて、続きです。
ローマは、七人続いた王政をやめ、共和政時代に入りました。
王の代わりに、二人の執政官が統治し、その執政官は市民集会で選ばれ、人気は一年。
一年ってちょっと短いような気もしますね。なんだか町内会長みたい・・・。
やっと慣れてきたころに、任期が来てしまうようにも感じますが、何度でも再選は可能だったので、まあ、それほど困ることもなかったのかもしれません。
共和政に移行してしばらくすると、ローマでは貴族対平民の争いが起こってきます。
平民の力が強まり、彼らは法の成文化を要求します。
この時代のギリシア(アテネ)の当事者は、有名なペリクレスでした。
ペリクレスの言葉で、感動的なものがあります。
「我々は美を愛する。だが、節度を持って。
我々は知を尊ぶ。しかし、溺れることなしに。
我々は富を追求する。だがこれも可能性を保持するためであって、愚かにも
自慢するためではない。
アテネでは、貧しいことは恥ではない。
だが貧しさから脱出しようと努めないことは、恥とされる。」
何という素晴らしい言葉でしょうか。
日本はまだ縄文時代であったこの紀元前の時に、こんな素晴らしい教訓を我々に与えてくれるとは、感動的です。
ところで、アテネに行った視察団が帰国後、法が成文化されましたが、今までの法と全く内容が変わらなかったため、平民は激怒しました。
そして争いが激化し、ローマはついに二分化されてしまいましたが、それにつけこんでケルト人が攻めてきて、何と占領されてしまうのです。
街も壊され、市民を大量に虐殺されたローマは、何とかお金でケルト人を退散させましたが、深い屈辱が残りました。
そこでローマは、すべての役職を平民にも開放する「リキニウス法」を取り入れ、貴族と平民の対立を終わらせました。
ケルトに占領されたときに離れていった同盟国とも再び同盟を結ぶなど、少しずつ再建していくローマ。
そして、ローマの歴史はまだまだ続きます。
この時、アレクサンダー大王が東国を制圧していましたが、もしローマに着ていたら、いまのローマはなかったかもしれませんね。
ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I【電子書籍】[ 塩野七生 ]
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