ローマ人の物語 勝者の混迷 上・下 塩野 七生
2002年9月1日 新潮文庫
前回の「ハンニバル戦記」の主役、カルタゴの名将ハンニバルが、こんな言葉を残しています。
「いかなる強大国といえども、長期にわたって安泰であり続けることはできない。国外には敵を持たなくなっても、国内に敵を持つようになる。」
地中海世界の覇者と呼ばれるようになっていたローマですが、その予言通り、内部から崩れ始めます。
改革に力を尽くそうとした若きティベリウス・グラックスは、反対派に殴り殺され、その弟ガイウスも、兄と同じく改革に力を入れましたが、やはり悲惨な死を迎えます。
ローマ人同士で、ちょっと政策が気に入らないだけで、ずいぶんと殺しあうようになってしまいました。
奴隷の反乱がおき、同盟諸国からもローマ市民権をめぐって、対等な扱いを望むことから反乱がおき、ローマ連合は崩れました。
そして、政力争いで負けてローマから逃れたものが兵を募ってローマに攻め入る、という事象も起きるようになりました。
知りませんでしたが、戦争で負けた国の住民は奴隷となりますが、その中にはもちろん知識人も多くいました。そういう人は値段が高く、家一軒買えるほどだったとか。
それに教師として貴族の家に買われた人は、家族と同じようにして大切にされていたようです。
しかし労働者にさせられた人もいて、こういう人たちの扱いはやはりひどかったようです。
また、剣闘士というのがいて、奴隷の中で屈強なものを訓練し、剣闘試合の時貸し出されていたそうです。
負けたらもちろん、死が待っています。
その中でスパルタクスという人を頭にして、剣闘士が集団脱走した「スパルタクスの乱」が起きています。
やはり訓練されていたためか、ローマ軍を散々てこずらせたスパルタクスたちですが、最後にはみんな残酷な殺され方をしてしまいました。
また、ポントスの王ミトリダテスとの戦いも、長く尾を引きました。
こんな風に覇者となってもローマ内部でのいろいろなごたごたで、迷走を続けるローマ。
力を持つものが割と勝手なことをしはじめ、元老院は力を失っていきます。
そして、次はいよいよあの、ユリウス・カエサルが登場します。
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