奇面館の殺人(上)(下) 綾辻行人 講談社文庫
この本は、1年以上も積読の中にありました。
なぜか?
館シリーズは順番に読まなければならないのに、間違って早い段階で買ってしまったからでした。
なので、その前の館シリーズを買いそろえて、読み終わるまで積読状態。
それに、これを読んでしまうと、今刊行されている館シリーズを全部読んでしまうことになるので、わざと引き延ばしていたというのもあります。
だって、全部読んでしまったら、館シリーズを読む楽しみがなくなってしまうので、寂しいじゃないですか。
館シリーズは10冊書く予定にされているそうで、これはその9冊目。
さて、最後の館が出て来るのはいつになるのでしょうか。
ひたすらその日が楽しみですね。
面白い推理小説であればあるほど、犯人や意外な事実がわかった時の純粋な驚きが、何度も読むと薄れてしまうのが寂しいです。
今回の「奇面館の殺人」は、シリーズの中では比較的人が死にません。
1人だけでした。
では設定は、まー、館シリーズの好きなパターン、集められた人間達、雪に閉ざされ、館が孤立するという、クローズドサークルもの。
それにかなり異様です。
「表情恐怖症」という病の主人の意向で、集まったメンバー全員が仮面をかぶらなくてはいけない。
その仮面が、ある朝目を覚ましたら、鍵をかけられたまま取れなくなってしまう。
やだ~、こんな仮面かぶったまんまずっといるの。
顔がむれるし、かゆくなるし、うっとうしいし・・・・・。
最悪ですね。私なら、こんな冷静に犯人探しなどしていられません。
それにけっこう、シリーズの中では一番グロイです。
そして久しぶりに、鹿谷門実自身が事件に巻き込まれます。
仮面が取れなくなった、集められたメンバーたちが困惑する中、館の主が殺害されてしまいます。
鹿谷たちは、仮面をくっつけたまま、犯人を探ることになるのですが・・・・。
なにしろ、仮面のカギを探さないと。
ところで、このメンバーの一人、瞳子が気になってみてしまった映画「世にも怪奇な物語」というのが出てきますが、これは私もテレビで見たことがあります。
ジェーン・フォンダが屋敷の中の絵の黒い馬に魅せられ、黒い馬が本当に出てきて・・・・という物語でした。
古い映画で、ジェーン・フォンダが美しすぎる・・・・!
今回も十分楽しませてくれた館シリーズ。
最後は「へぇ~っ」と思わせてくれ、期待を裏切りません。
さあ、次がいよいよ最後です。
読みたいような読みたくないような・・・・・。
う~ん、ジレンマですね。
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