陰陽師 鳳凰ノ巻 夢枕獏 文春文庫
このシリーズ、清明と博雅のやり取りを読むと、なんだかほっとします。
懐かしいところへ帰ってきたような気がするというか・・・。
内容はおどろおどろしいものや、哀しいものが多くても、二人の存在が救いなのです。
二人はいつも、ほろほろと酒を飲む。
ゆったりとした時間が流れてゆきます。
それに反して、人の心というものは、いろいろな業により、鬼にもなり、妖にもなり、激しくそして哀しい。
清明はそんな哀しい人の心を癒していきます。
今回も、ライバルの蘆屋道満が出てきます。
二人の術比べはなかなか読みごたえがあって面白いです。
しかしそこは食えない二人の事、ちゃんと裏があったのですが。
仲がいいのか悪いのかよくわかりませんが。
また、清明は様々な妖物を相手に戦いますが、博雅の存在自体が清明の心のよりどころとなっています。
清明は言います。
「おまえはいつも思いがけぬことを言って、俺を助けてくれることがある」と。
博雅の邪気のない、純真な心が、妖物の邪気から清明を守ってくれているのでしょう。
お互いになくてはならない存在。
こういう関係って素敵ですね。うらやましいです。
今回も大満足の一冊です。
続きが楽しみです。
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