medium(メディウム)霊媒探偵 城塚翡翠 相沢沙呼 講談社
こんにちは、咲紗(サーシャ)です。
さて、2020年本屋大賞受賞作の「medium」です。
あまりにもきれいな表紙に魅せられて、欲しい欲しいと思っていた作品です。
ほんとにきれいな絵ですよね。
遠田志帆さんという方が描かれていて、あの綾辻行人著「Another」の表紙も書かれた方だそうです。
印象的で、ついつい買ってしまいたくなるという、宣伝効果抜群の絵です。
それに読み進めていくと、この表紙の女性のポーズの意味が分かります。
物語の一つの情景を描いているのです。
さて、表紙だけでなく、読んでみると内容も大満足でした。
いや~、これはすごい、という感じです。
ドンデン返しというか、とにかく「えーっ!!」とびっくりさせられるのが、少なくとも2回はありました。
しかも、「ああ、これ違っていてほしいな」と思ってしまうようなドンデン返しです。
この本のキャッチコピーは「すべてが、伏線」。
まさに、その通りです。
私たちは一番最初から、すでにだまされているのです。
どこがだまされているのかはネタバレになるので書けませんが、とにかくだまされまくっているのです。
事件がいくつかあって、それぞれ読み応え十分なのですが、それらが一気に最後につながります。
外国では、未解決事件なんかはよく霊能者や霊媒、超能力者が協力するということはあるそうですが、日本ではありませんよね。
霊媒が犯人を当てても、証拠がないので犯人として逮捕することができないからです。
霊媒が事件に携わる難しさが、繊細に書かれています。
この相沢沙呼さん、以前このブログで、デビュー作の
「午前零時のサンドリヨン」をご紹介したことがありました。
実はそれしか読んだことがないのですが、あれもいい作品でした。
マジックとインチキのはざまで苦しむ女の子の心理が繊細に丁寧に書かれていて、この人凄いな、と思ったのを覚えています。
すごい人気作家になられました。
この作品も、キャッチコピー通り全てが伏線で、いろんなところに伏線が貼られています。
何度も何度も読み返したくなります。
そして最後に衝撃が待っているのです。
久々に「えーーーーーっ!!」と叫んだ作品です。
ただ・・・ちょっとこういう結果にはなってほしくなかったなぁ、と思ってしまいました。
もうちょっと幸せな結末だったらよかったのですが・・・。
まだ読んでいないという方は、ぜひぜひ一度読んでみてください。
そして、全体に張られている伏線に気づくかどうか、ぜひ試してみてくださいね。
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