図書館の魔女 第三~四巻 高田 大介 2016年5月13日 講談社文庫
長かった~。
ここまで読むのがしんどいのは「指輪物語」に匹敵しましたね。
でも一息に読んでしまいました。
前も書きましたが、とにかく言葉が難しすぎる!
聞いたことのない単語、聞いたことのない読み方でほぼ成り立っていると言っても過言ではありません。
こんな難しい言葉で会話するわけないでしょ!と言いたいです。
この小説のテーマは「言葉」。
一巻から四巻までものすごくわかりやすくあるテーマです。
マツリカは言います。
言葉は何かを伝えるためにあるんじゃない。言葉こそ「意思」。言葉こそ「私」。
私が死んでも私の言葉は滅びない、と。
声がなく、手話、指話、書くことで言葉を発するマツリカ。
どんな手段でも「言葉」は「言葉」なのだと。
素晴らしいテーマですが、その言葉が難しすぎ全然伝わってこないのです。
面白い内容なだけに、残念です。
内容はものすごく面白いです。
その「言葉」で戦争を回避するマツリカ。
命を狙われ、危険にさらされますが、それを守るキリヒト。
そして衛兵たちもとても魅力的です。
人形遣いの傀儡師によって呪われ、左手を封じ込められたマツリカ。
しかし彼女の「言葉」は敵の意図に反し、決して失われることはありません。
なぜなら彼女には、キリヒトがいるから。
キリヒトを信じ、全てをキリヒトに託すマツリカ。それに応えるキリヒト。
二人の信頼と愛情はどんどん深まっていきます。
戦争回避のための三国会談、そして傀儡師「双子座」を追っていく途中にある数々の死闘・・・・。
この辺は圧巻の一言です。
何しろ相手は人形遣い、様々な人形がキリヒトたちに襲い掛かってきます。
なかでも、ある部屋に入るとたくさんの小さな櫃があって、その中からカタカタ・・・と音を立てて一斉に、意思を持たない小さな人形たちが、弓をもって出てくるシーンはかなり怖いです。
衛兵たちも、皆大きな傷を負いながらも戦い続けます。
そして「双子座」に真の正体は・・・・・。
ああ、そうだったのかぁ、と思わせてくれます。
このお話、続編が、もう出る、すぐ出る、と言いながら全然でないそうです。
キリヒトとマツリカがどうなるか知りたいし、ほかのみんなも、ヴァ―シャがどうなるのか、アキームとイラムは結婚するのか、いろいろ気になるところです。
言葉が難解なのはともかく、続編はぜひとも読みたいですね。
ファンタジーとはちょっと誓うこの作品。
この大作が、作者のデビュー作とは驚きです。
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