鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々 中西モトオ 双葉社 kindle
あまりにも表紙がきれいなので、つい買ってしまいました。
WEB小説だったものを、本にしたものだそうです。
思っていたより、壮絶な物語でした。
鬼と戦う物語なので、一見「鬼滅の刃」っぽいのですが、読んでみると全然違います。
甚太には妹の鈴音がいますが、彼女の右目は赤い。
目が赤いのは鬼である証。
妹と共に流れ着いた葛野の地で、幼馴染の白雪と、その父親、元治と4人で幸せに暮らしていましたが、運命はやがて甚太を辛い立場に立たせます。
成長した甚太は、鬼を切る巫女守りとして、里の巫女「いつきひめ」となった白雪を守ることとなります。
しかしそれに反して、妹鈴音は一向に成長せず、子供のままです。
甚太と白雪は愛し合っていますが、運命のいたずらから、鈴音は強力な鬼となり、甚太と白雪の前に立ちはだかることとなります。
鬼との戦いの際、鬼に変えられてしまった甚太は、運命の激流に飲み込まれていきます・・・。
内容は非常に面白く、次もまた読んでみたいと思うのですが、ちょっと気になるのが会話のシーンですね。
やけに言葉遣いが現代風で、違和感があります。
そして戦うシーンでは、昔の言葉がふんだんに出てきます。
宮部みゆきや夢枕獏などを読みなれているせいか、こういうところがやけに気になってしまいます。
それ以外では、読みやすく、話にスピード感もあり、面白いです。
シリーズものになっていて、これが第一作目。
鬼滅の刃といい、このお話といい、最近鬼のお話が多いですね。
鬼を切る役目の甚太は、その役割をとても尊く思っており、また同じように「いつきひめ」としての役割を尊く思う白雪のことも、尊重しています。
お互いに認め合い、愛し合う二人の姿はとても美しく、そして哀しくもあります。
さて、次回以降、辛い運命を背負った甚太がどういう人生を歩んでいくのか、とても楽しみです。
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