ふしぎ駄菓子屋銭天堂 廣嶋玲子 偕成社
商店街の細めの脇道のところに、今まで見たこともない駄菓子屋があります。
その名も「銭天堂」。
中に入ると見たこともない、変わった名前の駄菓子がいっぱい。
そしてそこには、古銭の柄の入った赤紫色の着物を着た、どっしり太って大きくて、髪は真っ白、でもおばあさんではない
不思議な話し方をする紅子さんが座っています。
ここにくるお客はみんな、何かしら悩みを抱えていて、紅子さんはその悩みに合ったお菓子を渡します。
お代は安いけれど、紅子さんは何年物の小銭ということがちゃんとわかっているのです。
紅子さんから買ったお菓子を食べると、願いがかなうのですが、入っている説明書をちゃんと読まないと割とひどい目にあってしまいます。
なかなか面白かったです。
いい子には良くて、悪い子(人)にはちゃんとバチがあたる。
そんなところが爽快です。
好きなのは「ホーンテッドアイス」。
アイスを食べると、家にオバケが住み着き、楽しい共同生活が始まるのです。
こんなのがあったら食べてみたいですね。
ちょっと泣いたのは「クッキングツリー」
母親に虐待されている幼い兄弟の物語です。
クッキングツリーがおいしい食事を与えてくれれるのだけど、ちゃんとお礼を言わないと、大変なことになってしまうのです。
それをママがお礼を言わなかったらどう言うことになったか・・・・・・
どんなひどい親でも、子供たちにとっては親は親なのですね。
さて、紅子さんがお客さんから集めた小銭は、成功すると幸運の招き猫となり、店の奥でお菓子作りを始めます。
失敗すると不幸虫が生まれます。
この紅子さん、いったい何者なのでしょうか。
なかなか楽しい物語で、子供向きとも言い切れない、大人が読んでも十分満足できる内容です。
シリーズ物で、けっこうたくさん出ているようですね。
一日で読める量で、お手頃です。
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