ぼんくら(上)(下) 宮部 みゆき
2004年4月15日 第一版 講談社文庫
大好きな宮部先生の時代ものです。
いや~、宮部先生の時代ものは本当に傑作ぞろいなのですが、これもまた大満足!
すっごく面白かったです。
どうして宮部先生の時代ものはこんなに面白いのでしょう。いや、先生は現代ものも申し分なく面白いのですが・・・。
今回は江戸の長屋が舞台です。
この作品もドラマ化されたので、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
江戸という町は、かなりシステムがしっかりできていて、機能性に優れていたようですね。
長屋というのは、今のアパートのようなものでしょうか。
差配人という人がそこですべてを取り仕切り、住んでいる人たちの相談事から管理から、お嫁入りの世話から、親を亡くしてしまった子の面倒から、または長屋全体の掃除や手入れなども全て差配人が行うのです。
アパートの大家さんより、よっぽど大変ですね。
現代よりも、人と人とのつながりが濃厚だった時代ならではでしょうか。
そんな長屋で起こる、小さな事件の数々。
一見つながりがなさそうに見え、短編集だと思ったところ、一つ一つが実は全部つながっていき、最初はほんのささいな、気のせいじゃないかと思うような出来事が、過去に起こった大事件につながっていくのです。
こういうところ、正に秀悦。さすが宮部先生です。
読んでいて、どんどん引き付けられます。
また登場人物たちが、みんな魅力的なのです。
面倒なことが大嫌い、いつもごろごろ、甘いものが大好きで子供のような性格。
でも人の心の機微にたけていて、事件を解決していく主人公、平四郎。
ドラマでは、岸谷五朗さんが演じていました。いや~、ぴったりですね。
長屋の住人、お徳とおくめも人情家でいいし、若き差配人、佐吉もかっこいい。
平四郎の甥、かわいい弓之助もいいですね。まだ子供なのに平四郎とコンビを組んで、事件の真相に迫ります。
でもしっかりしているようでもまだまだ子供。おねしょには勝てないのです。
平四郎はこの弓之助がかわいくてたまりません。
岡っ引きの政五郎もかっこいいですし、彼の手伝いをしている、これまた子供の「おでこ」ちゃんもかわいい。
記憶力に優れていて、覚えたとおりのことをしゃべりますが、途中で遮られると頭の中で巻き戻しが始まります。まるでテープレコーダーです。
カラスの官九郎もいいし、とにかくみんなめちゃくちゃいいのです。
またまたお気に入りシリーズが増えちゃって、困っちゃいますね(私だけか)。
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