日本の昔話 柳田 国男
1983年6月15日 新潮文庫
こんにちは、咲紗(サーシャ)です。
題名通り、日本の昔話を集めたものです。
この文庫は昭和56年ですが、実際にはなんと昭和5年、そして新訂版として昭和16年という戦前に発行されています。
古い古い作品ですが、とても読みやすく書かれていました。
柳田先生自身がはしがき等を載せていますが、戦前の文章の書き方ってこうだったんだな、と初めて知りました。
~であります、とか独自の言い回しが今と少し違って面白いです。
そういえば、昔のアナウンサーもこんなしゃべり方をしていました。
昔話はいつくかは知っているものもありましたが、柳田先生も述べている通り、同じ話なのにお互いそれを知らず、それぞれの土地で独自の変化を遂げたため、似たような話も結構あるそうです。
有名な話もいくつか載っていました。
例えば、飯食わぬ女房や、わらしべ長者、うぐいす姫(かぐや姫のこと、少し違っているところがあります)笠地蔵、聞く耳頭巾、花さかじいさん(これも少し違いますが元は同じようです)等々。
あと、西洋のお話であるはずのシンデレラによく似た、米ぶくろ粟ぶくろなどは興味深いですね。
国を問わず、似たようなお話があるなんて不思議です。
柳田先生が戦前にこれらの日本の昔話を集めて、まとめる必要があると感じたのは、やはり戦争によってこれらの話が失われるのを防ぎたかったのでしょうか?
日本が負けることを、もしかして予想していらしたのかもしれません。
日本に限らないと思いますが、昔の人はキツネやタヌキが化けると本当に信じていました。
また、パターンとして正直者のおじいさんおばあさんの隣には、必ず悪いジジババ(どちらか一方の時もあります)が住んでおり、欲を丸出しにします。
よく考えてみたら、おじいさんおばあさんといっても昔は結婚も早いし、人生50年の時代ですから、もしかして今の40代~50代前半ぐらいだったのかな・・・?
え・・・すると今の咲紗とそんなに変わらない・・・?
・・・・・・いや、気を取り直して・・・・・
話によっては、だから何なのさというような感じで終わるものもあります。
きっとまだまだたくさんあるのでしょうね。
いつかまた、読んでみたいです。
遠野物語同様、昔話もかなり集めるのに時間がかかったそうですが、やはり大切な日本の文化、これからも後世に伝えていかなくてはなりません。