マスカレード・ホテル 東野 圭吾
2014年7月25日 集英社文庫
最近映画にもなった、話題の作品ですね。
キャストのキムタク、長澤まさみはイメージピタリの適役です。
内容は、さすが東野先生、文句なく面白い・・・ですが、あまりにも面白さを詰め込みすぎているような気がしないでもありませんでした。
読んでいて、ちょっとアップアップという感じがしました。
連続殺人の調査のため、ホテルの従業員になりすまして潜入する刑事たち、それをフォローするベテランホテル従業員たち。
キムタク演じる刑事の新田は、フロント係がすっかり板につき、彼はいつ刑事をやめてもホテルマンに転職できますね。
それから、キムタク、いやいや新田とコンビを組む能勢刑事は、いい味出してます。一見ダメ刑事に見えるのですが、実はかなりの切れ者。最後は新田も一目置きます。
映画では小日向文世さん。なーるほどねー。うまい配役です。
犯人の様子が全く不明で、そしてさらに誰が狙われているのかもさっぱりわからない状態で、大勢の人が出入りするホテルの中、状況は緊迫していきます。
そして様々なお客様たちとの出会いがある中で、全てが最後につながる伏線になっているところはさすがです。
ホテルというところで起きている様々な出来事も非常によくわかりました。
ラストは、かなり推理小説を読みなれている咲紗でも、かなり驚きました。まさかそんな展開とは・・・・。
そして、映画での犯人役は・・・。なるほど、あの人ですか。うーん、なかなか奥が深い。(書けないところがつらい)
相当な面白さです。ちょっと面白さを詰め込みすぎなところと、息をもつかせぬ展開で、読んでいてかなり疲れましたが。
ところでこの作品、咲紗は映画化されるということを全然知らないときに読んだのですが、新田はキムタクっぽいなーと思っていました。
映画化されると聞いて、新田がキムタクと知った時、やっぱりなーと思いました。
ところが後で、東野先生のインタビュー記事を見た時、最初から新田はキムタクをモデルにして書かれたとか。
そうなんだー、びっくり。
でも読んでいる側がそんなことを知らなくても、キムタクのイメージがスッとわいてくるなんて、どれだけ書き方がうまいのでしょうか。
すごいです、東野先生。