愚者のエンドロール 米澤 穂信
2002年8月1日 角川文庫
「古典部」シリーズ第2弾です。
「氷菓」よりこっちの方が面白かったかな。
学園の小さな謎解きで、別にだれが死ぬわけでもケガをするわけでもない、いたって平和です。
今回は、脚本家役が倒れてしまったために中断された、クラスの自主映画の結末を探す物語。
本人に聞けば済む話だろうと思うのですが、そうはいかないようで・・・。
この辺もちょっと裏があるのですけれど。
自主映画かぁ・・・。面白そうだなぁ。
咲紗が学生の時は、せいぜい演劇ぐらいでしたが、時代が変わりましたねぇ。
ホータロー含む古典部の面々は、以前よりなかなかチームワークが良くなってきています。
ホータローもなんだかんだ言って、省エネ人間を解消したのか、ずいぶん活動するようになりました。
ちょっと面白かったのが、この脚本を書いた女の子が、勉強のためにシャーロック・ホームズを読むのですが、
私も読んだことがある「シャーロック・ホームズの冒険」の内容が出てきて、妙に懐かしさを覚えました。
お話ごとに、〇・×が」つけられていて、その基準がわからなかったのですが、読んで納得しました.
そして、全て解決しました!と思わせておいて、いや、実は違ったんだよ~、といった具合にどんでん返しがあるところ、さすがです。
ホータローも、一度は推理を誤るのですが、ちゃんと正しい答えにたどり着きます。
この作品を読むと、なんだか学生時代を思い出してしまいますね。
学園祭とか、楽しかった思い出がよみがえります。
その当時は、試験やらなにやらでいろいろと大変だったのですが、今思うといい時代だったと思いますね。
このシリーズ、なかなか気に入っています。
楽しく、気楽に読めるいい作品です。