令嬢たちの世にも恐ろしい物語 藤本 ひとみ
2009年9月25日 集英社文庫
こんにちは、咲紗(サーシャ)です。
私はこの作者のデビューを偶然にも知っています。
私が中学生の時、少女小説を集めた「コバルト」という雑誌がありました。
結構有名な作者もそこに載せていました。
なんと、佐藤愛子先生の娘さんの響子さんも、そこにエッセイを載せていたのですよ。
そこにデビュー作として載っていたのがこの人。
「りんぐ・どりいむ」という女子プロを舞台にしたお話で、デビュー作にもかかわらず光っていました。
すごくいいお話で、私も好きでした。
その後単行本になり、迷わず買いました。
やはりかなり実力者だったのでしょうね。
その後、フランスの王政時代等を舞台にした作品に転向しましたが、たぶんこっちの方を元々書きたかったのでしょう。
その後もずっと人気作家でいるのはすごいことだし、写真を見て、こんな知的な美女とは知りませんでしたのでびっくりしました。
さてこの作品ですが、どこまで史実に基づいているのかいないのかはわかりませんが、いや~、怖いですねぇ・・・。
1つずつ、短編になっているのですが、まあどれもこれも女の怨念と嫉妬と悪だくみとで満ちています。
昔は、フランスも日本も、女というものは男に目を付けられなければ、悲惨な運命しか待っていなかったわけです。
だからまあ、こうなるのも仕方なかったのかもしれませんが・・・。
どこの国も一緒ですねぇ。
フランス王室も日本の大奥も、毒は盛りまくり、呪いまくり、殺しまくり、まあ恐ろしや恐ろしや。
それに昔のパリの人間達の、この処刑好きはどういうことなのでしょうか。
ちょっと理解できないです。
処刑があるとなると、屋台まで出て、まるで楽しいカーニバルでも行われるかのようなバカ騒ぎ。
普段はちょっとしたことで、「あれぇ~」と気絶する(もしくはふりをする)ご婦人方も、処刑となると着飾って率先して出かけたというのだから、なんなんでしょうか。
あんなもの見て、何が楽しいんでしょうかねぇ・・・。
パリという街は今でも割と汚い街です。
一度行ったことがありますが、あまり好きにはなれませんでした。
ロンドンやウィーンの方がよほど美しかったです。
でも昔はもっとひどくて、悪臭はするはネズミはすごいわ、不衛生極まりなかったとか。
昔のパリに生まれなくて本当に良かったです。