時計館の殺人(上)(下) 綾辻 行人
1995年6月15日 講談社文庫
こんにちは、咲紗(サーシャ)です。
でました、「館」シリーズ5作目。
しかも初めての上下巻です。
またまた、ありえないくらい現実離れした館が出てきて、ドッカンドッカンと人が死んでいきます。
今回はさすがに「ちょっと死にすぎじゃない!?」と思いました。
こんなに人間、いくら恨みを晴らす目的のためとはいっても、その人自体に恨みがあるないに関わらず、息つく暇もなく人が殺せるものでしょうか?
いくらなんでもちょっと無理な気が・・・。
久々に河南くんが出てきますが、立派に社会人になりました。
でも彼は、十角館で多くの友達を失った挙句、今回自分自身もこんな目に合うなんて・・・
つくづく、ついていない人です。
島田潔も、今ではすっかり人気作家となり、河南くん自身も「島田さん」ではなく「シシド先生」と呼ぶようになりましたね。
しかもこのトリック、いやこれはトリックと呼ぶべきものかどうか・・・
よく思いつくな~という感じです。
こんなことありえない。
まあでも、このあり得ないところが、この「館」シリーズの面白いところです。
このトリックがわかると、物語のさまざまなところにちりばめられているちょっと不思議なことが、「ああ、そうだったのか」と納得がいきます。
カップラーメンのこととかね。(う~ん、ネタバレになるので書きたいけど書けません)
この作品、「館」シリーズで初めて賞を取った作品だそうです。
あの「十角館の殺人」が取っていないのが逆に不思議です。
私はあれは最高傑作だと思うのですが・・・。
この「館」シリーズを読むと、なんか故郷に帰ったというか、読書の原点に戻ったというか、なんか妙に懐かしい感じがします。
前の作品のことにもよく触れてくるのでなおさらです。
やはり「館」シリーズは順番に読まなくてはいけません。
そしてやっぱり、綾辻先生はうまい作家だな~、と思います。