夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤 穂信
2006年4月14日 創元推理文庫
「いちごタルト事件」第2弾。
相変わらず小市民を目指す、小鳩君と小佐内さん。
いちごタルトは短編になっていましたが、今回は、最初は一見短編に見えるようで、実は全部つながっています。
最初は軽い事柄から始まりますが、それが実はクライマックスの事件へのすべての伏線となっていきます。
このあたりがすごいと思います。
良く練り上げられた、上質な作品です。
最初、小鳩君があまりのシャルロットのおいしさにびっくりし、どうしてももう一個食べたくて、小佐内さんの目をごまかそうと画策するところは、かわいらしくて笑ってしまいます。
それほど甘いものに興味があるわけではない小鳩君がここまで魅せられたとは、どれほどおいしいのか。
食べてみたいですねぇ。
が、その一見ほほえましいものの裏にあるもの・・・・
小鳩君は小佐内さんを試すつもりで画策し、小佐内さんは実はもうすでにその手の内に小鳩君を率いれ、ほくそ笑んでいたのです。
この二人、万が一付き合ったとしても、あまり幸せにはなれないでしょうね。
この性格では。
小鳩くんと小佐内さん、果たしてどちらがより頭がいいのか・・・
よくわかりませんね。
最後、二人はその奇妙な互恵関係を解消しますが、まだ「栗きんとん」があるはずなので、まだまだこの二人には何かが起こりますね。
まあ、でも恋人になるのはちょっと無理かな。
それにしても、小佐内さんはこれだけ甘いものを食べ続け、よく太りませんねぇ・・・うらやまし。
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