ノックの音が 星 新一
1972年8月15日 講談社文庫
高校生の時、友達の陽子ちゃんが「これ、面白いよ」と言っていた作品です。
それから、実に30年!
ついに読む機会を得ました。
全編「ノックの音がした」という一文から始まる短編集であり、この同じ一文からそれぞれいろいろな話が展開していきます。
ほぼ全てが、ノックの音がしたその室内から登場人物たちが出ることなく物語は進みます。
皮肉あり、ユーモアあり、全て一癖も二癖もある登場人物たちが出てきます。
五〇年近く前の作品ですが、それほど古さを感じさせませんでした、
しいて言えば、登場人物の名前が古かったくらいかな。
結論から言えば、ものすごく面白かったです。
一つ一つの話も、ちょうど読みやすい長さでした。
一番面白かったのは「財産への道」。
ちょっと怖かったのは最後の「人形」。
痛快なのは「現代の人生」と「夢の大金」。
そういえばお金がらみの話が多かったですね。
そして必ず来るラストのどんでん返しが秀悦なのです。
実は短編集というのは、すぐその話の世界が終わってしまい、次から次へと新しい世界が始まっていくような気がして、疲れてしまい、あまり読んだことがありませんでした。
この作品はなかなか読みやすく、短編集もいいなと思ってしまいました。
これを機に、いろいろ読んでみるのもいいかもしれないですね。
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