咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

葉桜の季節に君を想うということ   歌野 晶午

2007年5月10日   文春文庫

こちらも、面白いミステリーランキングの必ず上位に入ってくる作品。

ミステリーといえば、日本・海外問わずシリーズ物が多いですが、これは違います。

一言でいえば・・・・

だまされた~!!!

完全にだまされました。

頭の中で描いていたイメージが、全て、本当に間違っていました。

最初の方に、間違えるように誘導する一文があったのです。

ただ、読んでいて「変だな」と感じるところは少しありました。

でも、この作者の書き方なのだろうと思ってしまったのです。

主人公に対するイメージが、全てくつがえさせられました。

結婚もせず、まともな職にも就かず、短期の不安定な仕事ばかりして、ちゃらい、貧乏な男だと思っていたのです。

そう思わせようと書かれていたことも確かですが。

そして周りの人間も同様です。

妹も、彼女も、友達も・・・。

そして読んだ後、少し元気にさせられました。

とても面白かったし、賞を総なめにしたのもうなづけます。

ただ、印象はやはり「だまされた~」なのです。

それが作者の意図したものであれば、正に大成功でしょう。

この作品は確かにシリーズ化は無理ですね。それに映像化も。

皆さんもぜひ一度読んでみてください。

さあ、どこでだまされたかわかりますか?