咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

鴨川ホルモー  万城目 学

2009年2月25日  角川文庫

万城目学森見登美彦綾辻行人・・京大出身の作家は多いです。

なかでも森見登美彦先生は、京大を舞台にした作品が非常に多いですが、万城目学先生のこの「鴨川ホルモー」も、もろ京大が舞台。

私は子供のころ、京大の学生さんが何人か家庭教師に来てくれていて、そのうちの一人とは、まだ年賀状のやり取りをしています。

その家庭教師たちがよく学校のことを教えてくれましたが、やっぱり京大ってちょっと独特のムードがあって、変わっている人が多いんですよね。

頭が良すぎるからですかねぇ。

この物語の、やっぱりちょっとどこか奇妙な京大生たちは、「ホルモー」というなんだかよくわからないものに学生生活のほぼ全てをかけることになってしまいます。

「ホルモー」とは何ぞや。

決して鴨川でホルモン焼きを食べることではありません。

スポーツでもないし、競技・・・なのか、争いなのか、何といえばいいのか・・・。

普通目に見えない「オニ」が見えるようになった彼らは、その「オニ」を操って他大学のチームと争います。

それはものすごーく長い長い伝統なのだとか。主人公たちで5百代目だというけど、若干その数字はいい加減らしい。

笑いまくったのは、吉田神社で主人公たちが、吉田代替わりの儀で舞を奉納するところです。

伝統ある儀式のはずなのに、なんで「レナウン」CMの歌なのか?

レナウン」のCMソングって覚えてらっしゃる方、どれくらいいらっしゃいますかねぇ。

若い人は知らないですよね。

「プールサイドに夏がくりゃ、イェイェイェイェイイエィ、イェイェイェイェイ(略)レーナウ―ン、レナウンレナウンレナウン娘が、おしゃれでシックなレナウン娘が・・・(略)」

知ってます?

すっごく懐かしいんですけどね。

その歌を神社で歌って踊って、歌いながら一枚一枚脱いでいくという・・・。

おバカ極まりないその場面を、うっかり電車の中で読んでしまったからたまりません。

いやはや、大変ねぇ・・・と、声を掛けたくなるじゃありませんか。

そしてその「レナウン」を踊り終えたら「オニ」が見えるようになるという・・・なんか「オニ」も「オニ」な気がしますが。

そしてその「オニ」たちは、「ホルモー」時だけでなく、主人公たちの前に姿を現したりします。

そしていろんな意味で、主人公たちに影響を及ぼします。

例えば、「オニ」を全滅させてしまった高村君は、チョンマゲ姿になってしまったり。

いろいろな意味で「ホルモー」にどっぷりつかっていく学生たち。

悲喜こもごもで、なんともおかしいのです。

主人公は、大失恋してしまいますが、その代り大切な人の存在に気づきます。

このあたりは、ほのぼのと青春していていいですね。

全体的に、笑えてさわやかで楽しいお話でした。

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