咲紗の、本とチワワとコーヒーと ~愛すべき本たちとの日々~

読書大好き咲紗が、読んだ本の感想やご紹介をしていきます

春季限定いちごタルト事件  米澤穂信

2004年12月24日  創元推理文庫

こんにちは、咲紗(サーシャ)です。

またまた米澤穂信先生の作品で、今回は日常の小さな謎解きをする羽目になる高校生のお話です。

でもほんの小さな謎解きが、しっかりと芯の通った事件につながっていくところは、さすが米澤先生といったところでしょうか。

この主人公の小鳩君と小佐内さんは、過去によっぽど何かあったらしく、ひたすら目立たないように努力し、清くつつましい小市民を目指しています。

この二人、別に恋人同士ではないのですが、小市民を目指すうえで協力し合っている、互恵関係なのです。

高校一年生にして、すでにそんなことを言っていて大丈夫なのかと心配になってきます。

しかし、そんな二人の努力もむなしく、周りで起こる数々の事件が二人を放っておいてくれません。

ついつい、やめようと思いながらも謎解きをしてしまう小鳩君。賢いんですよね~。

幼馴染の話によると、小さい頃は本当に鼻持ちならない奴だったとか。

そして普段はひた隠しにしている小佐内さんの本性がむき出しになるとき、事件は起こります。

まあ、この二人付き合うのはやめた方がいいです。まずうまくいかないでしょう。

これはシリーズものなので、春の次は、夏、秋と続きます。(冬はないようですが)

小佐内さんが無類の甘いもの好きということで、お話の中にもふんだんに甘いものが出てきます。

春のテーマは「いちごタルト」。やけにうまそうなのです。

シリーズが進むにつれて、なぜ二人が小市民を目指すようになったか、なぜ二人が協力し合っているのか、明らかになっていくのでしょう。

派手な作品ではありませんが、じっくりと面白いです。

シリーズ全部読んでみたいと思います。

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