改訂完全版 占星術殺人事件 島田 荘司
2013年8月9日 改訂版第一版 講談社文庫
改訂版なので2013年ですが、実際は1982年12月の作品です。
うう~~ん。すごい。すごすぎる!!!
これ作者のデビュー作だというから驚きです。
本当か!?信じられない!
天才じゃないかしら。
島田荘司先生というと、顔写真からなんとなく、気難しくて怖そうなイメージを持っていましたが(実際にどんな方かは知りませんが)、文章はすがすがしく、読みやすく、ユーモアもありです。
なにより、主人公、御手洗清が魅力的ですね。
犀川、湯川、火村、島田清、と魅力的な探偵たちの中で群を抜いています。(この探偵たち全員わかる人、ミステリー通ですね)
ところで、こういうミステリーに出てくる探偵たちって、なんで独身なんでしょうね。
御手洗清も、全然結婚する気などなさそうです。
これシリーズ物で、この後の別の作品で御手洗をひたすら愛する、絶世の美女が出てくるのですが、彼は知らん顔。
結婚すると推理力が鈍るとでもいうのでしょうか、全く・・・。
作品の中の事件は、四〇年間迷宮入りで、まるで現在の三億円事件のように、様々な憶測が飛び交い、あらゆる推理がなされた、という設定です。
そのあらゆる推理も載せているので、いったいどうやってこれを結末に持っていくかと思いきや、
そうだったのかー!!
そうきたかー!!
と、期待を見事に裏切りませんでした。
見事、の一言に尽きます。
もちろん、戦前の事件だったから成り立つトリックですが、そういうものとして作中でも扱っているので、それでいいのです。
でも本当に思いもよらない真相でした。
そしてこの犯人の事件後の人生、ひたすら孤独で、ただ生きるのみ。
ここに思いをはせずにはいられません。
いろいろ書きたいのですが、ネタバレになっては面白くないですよね。皆さんには、ぜひ読んで、驚愕を味わっていただきたいのです。
推理小説の感想というのは、内容を書けないところがつらいですね。
かなりボリュームのある作品ですが、あっという間に読めてしまいます。
それぐらい面白いのです。
まさしく上質のミステリー、格が違います。
ミステリーファンの方、いやミステリーファンでなくでも、一度は読まなければならない作品です。
すごい作者に巡り合えました。
占星術殺人事件 改訂完全版【電子書籍】[ 島田荘司 ]楽天で購入 |
【中古】 占星術殺人事件 改訂完全版 講談社文庫/島田荘司(著者) 【中古】afb楽天で購入 |