十角館の殺人<新装改訂版> 綾辻行人
初刊 1991年9月15日
新装改訂版 2007年10月16日 講談社文庫
何度でも読み返したい (^^♪
こんにちは、咲紗(サーシャ)です。
私は、綾辻行人先生の大ファンで、この館シリーズも大好き。特にこの「十角館の殺人」は館シリーズの中でも一番の愛読書で、もう何度も何度も読み返しています。
1991年、私がちょうど大学生ごろの作品です。ということは、この作品の中に出てくる大学生たちと同年代ということ・・・です。(歳がばれるなぁ)
読んでみると、まあ今の時代とは全く違っていますね。
まず、登場人物達は、ちょっとタバコ吸いまくりすぎてます。いつでもどこでも、スパスパスパスパ。今では考えられないことですが、当時はこれが普通だったのでしょうね。
あと、当然のことながら携帯がなく、PCではなくワープロを使っています。懐かしいなぁ。
アガサ・クリスティーの「そしてだれもいなくなった」の日本版のような作品だが、もっと残酷です。
そして、だんだん恐怖に追い詰められ、疑心暗鬼に陥っていく学生たちの心理描写が秀悦!犯人は、生き残っていく仲間たちのだれかに絞られていくのか、それともどこかに隠れて自分達を見ている、設計者「中村青司」なのか・・・
最後は、たった一行、しかもたった一言(九文字)で、謎のすべてが見事に明らかになるのです。
たった一言で!初めて読んだとき、「なんだって!!!!」と叫んでしまいました。そ、そうだったの?そんなことってあり得るのかー。
またその一言は、ちょうど新しくページをめくった第1行目に書かれているから、衝撃度UP!!
この作品、綾辻先生のデビュー作なのです。驚きです。天才ではなかろうか。
ただこの作品は、「そしてだれもいなくなった」もそうですが、まず携帯があるこの現代では成り立たないでしょう。どこかの島に孤立状態でおかれること自体、いまはなかなかないですからね。
それに、絶対映像化は無理!そんなことしたら全くこの作品の醍醐味が無くなってしまいます。
綾辻先生の作品は、映像化が難しいものが多いですよね。
ミステリーのランキングで必ず上位をとっているのもうなずける、最高傑作だと思います。
たった一言、本当に短いたった一言ですべてを物語る・・・ここまでの作品にはなかなか巡り合えません。