片づける禅の作法 枡野 俊明
ものすごく勉強になった1冊です。
前回ご紹介したやましたひでこさんの断捨離の本と、ほぼ同じことをおっしゃっています。
断捨離も禅の考え方をもとにしたものですからね。
ちょっと違うところは、断捨離はまず捨てる、こちらは捨てるのは最後というところでしょうか。
とりあえず、簡単にまとめてみます。
・掃除とは、汚れを取ることが目的ではなく「自分の心を磨く」こと。
・雲水(修行僧)の生活は24時間すべてが修行。寺の運営にかかわる雑事をすべて作務(さむ)と呼び、座禅と同じ修行ととらえる。掃除は大切な作務のひとつ。
・住んでいる部屋は、自分自身の心の状態を映し出している。
・捨てる前に、何か他のものに見立てることは出来ないか、修理できるかなどのステップを検討し、最後の最後に捨てる。
・不要なものを捨てずに持っていたとしても、本来果たすべき役目を果たさず、眠っている状態。これが本当の「もったいない」であり、不用品処分を先送りにすると心に弊害が生まれる。
・禅では簡素なスタイルを重んじ、衣食住全てにおいて無駄をできる限り排除し、シンプルに暮らすことに価値を見だす。必要のないものに囲まれた部屋で暮らせば、心の中にも必要のない感情や疲れがたまっていく。
・その日やるべきことをその日の分だけ、ただ淡々と行う。
・整えられた空間で暮らしていれば、心も整えられクリアになってくる。
・「あるべきものが、あるべきところに、あるべきようにある」のが理想。
・「使った後は元の場所に戻す」を徹底すれば、モノ探しに手間取ることも泣く散らからない。
・今この瞬間を精一杯生き切る。どんな小さなことでもおろそかにせず、その時にきちんと処理を完了させる。それが悔いのない生き方につながる。
・履物が揃えられない人は自分の心も整えられない。人生を変えたいならまず足元から見直す。
・浴室とトイレには仏様がいらっしゃる(トイレの神様ですね)
・モノであふれ落ち着かない寝室では、睡眠の質が落ちる。「引き算」で寝室を整える(積読にあふれた咲紗の寝室はいったい・・・)
・机の状態はその人の心を表す。一日の作業が終わったら、一旦全て片付け机の上は何もない状態にする。
・郵便物はその日のうちに処理する。件名ごとに分けた封筒に入れて書類を保存する。
・毎日目にする庭はその家に住む人を表し、同時に人格形成に大きく影響する。庭を見て不快に感じるのはほんの一瞬かもしれないが、その一瞬一瞬の積み重ねが、何年、何十年と続きその人の生活全体をつくる。
・日頃の心配事や悩み事をすべて忘れて目の前の汚れを取り、ごみを払うことに集中すると、その時間は大きな気づきへと続く道につながる。
・今とは違う別のものや考え方、ライフスタイルを手に入れれば、今よりも幸福になれると思う傾向があるが、禅では新しい何かを得るのではなく、不要なものを手放し捨てていくことこそ幸せへの道だと考える。
・足ることを知っている人は、今ここにいて安楽を味わえるけれど、欲の多い人はたとえいい暮らしができたとしても満足することができない。
・人生を変えたいと思ってもすぐさま変わるものではない。その想いを行動に移せるかどうか、またそれを継続できるかが問われる。今できることは何か、を探す。
・毎日たゆまず掃除を続けることで生まれる心のゆとりや感謝の時間こそが、毎日を豊かにし、チャンスをつかむ力を与えてくれる。
いかがでしたでしょうか。心に残る言葉はありましたでしょうか。
禅の考え方というのは、シンプルで美しく、私も最近勉強しています。
この本で述べられていることを少しでも実践できるようにしたいものです。