日本の黒い霧(上)(下)新装版① 松本 清張
2004年12月10日 文春文庫
いや~・・・すごい。
重すぎる内容です。
ものすごく読むのに時間がかかりました。重すぎて疲れるのです。
これは実際に戦後の占領下にあった日本で起きた未解決事件の数々です。
どれもこれもひどい事件です。
書かれているのはあくまでも清張の推理ですから、全てを信じるわけにはいきませんが、事実の部分はさすが元新聞記者、よく調べています。
まず、下山事件。
これは事実だけ見ても、どう考えても殺人です。
しかし自殺ということに強引にされてしまいました。
あなたは一体誰に殺されたの?何があったの?と言いたいです。
あまりにもひどい。
かわいそうだし、いったいこの下山さんが何をしたというのでしょうか。
この時代、GHQに日本は支配され、共産主義者がものすごく多かったようです。
そしてこの共産主義者が、全ての事件のカギとなっているようです。
これらの事件はすべてその一環だと清張は考えています。
それから、スパイ伊藤律。
この男、人間のクズです。
仲間は売りまくり、それでいてちゃっかり共産党のお偉方に収まっています。
さすがに最後は罰が当たって、中国の刑務所に何十年も閉じ込められますが。
そして、帝銀事件。あまりにも有名ですね。
これは容疑者が高齢で死んでしまいましたが、真相は永遠にわからないでしょう。
もし別に犯人がいるとしても、もうさすがに死んでいるでしょうし・・・。
気の毒なのは被害者たちです。
かなり苦しんで亡くなったとか。そんな猛毒をなぜ飲まさせられなければならなかったのでしょうか。
現代だったらこの事件、おそらく解決できたでしょう。
しかし戦後すぐ、しかもGHQの息がかかっている時代です。
当時の警察は本当にいい加減で恐ろしいです。
この続きは次回へ。