夜は短し歩けよ乙女　　森見　登美彦 - 咲紗の、本とチワワとコーヒーと　～愛すべき本たちとの日々～

2008年12月25日　　角川文庫

これは楽しい！面白い！面白すぎる！！

この世界観、すっごく好きかも！

ずーっと読みたいと思っていて、またまたブックオフでついに見つけました。

108円バンザイ！

でも、ここまで面白いとは思っていませんでした。

このフシギな世界、フシギな登場人物、そしてフシギ~な、このヒロイン。

ヒロイン(黒髪の乙女）も先輩も、なぜか名前が出てこないのですが。

そして、おそらく舞台は京大でしょう。

４話になっていますが、なんとなーくつながっています。

１話目は、お酒を飲みまくる話。詳しくは読んでいただきたいのですが、この黒髪の乙女、何飲んでも酔わない。いつまで飲んでも酔わない。そんなものすごい黒髪の乙女が、あるいきさつからある酒豪のじいさんと飲み比べを行います。

２話目は、古本市。黒髪の乙女が古本市に行くと知った先輩は、そこで彼女が探し求めている絵本を手に入れるべく、様々な困難に立ち向かいますが、なかでも激辛の火鍋を食べさせられるのは爆笑です。

３話目は、学園祭。私はこれが最高に好きなのですが、まあこの大学、フシギというか異様というか、よくこんな変な出し物ばかりやっているものです。

そんな中を楽しみながら優雅に歩く黒髪の乙女と、それを必死で追う先輩。１年間パンツを履き替えていない、パンツ総番長の話は必見です。

また、パン食かご飯食かという論争をやっていて、それに参加し意見を求められた黒髪の乙女はこう叫びます。

「ビスコを食べればよいのです！」

４話目は、先輩が風邪でぶっ倒れる話。悪性の風邪が蔓延し、京都府民がバタバタと倒れる中、一人風邪をうつされることなく、悠然と歩く黒髪の乙女。

そして、さまざまな珍困難を乗り越え、先輩は黒髪の乙女と初デートにこぎつけます。

いや、本当に楽しい。この世界が終わっちゃうのはイヤなので、読み終わりったくないな~と思ったのは、「マーリー」以来ですね。

このヒロイン、黒髪の乙女は天然という㋧気なのか、純粋すぎるというべきなのか、いかにも危なっかしいのだが、なぜかうま~く世の中を渡っていくのです。

おそらく、この先輩と黒髪の乙女はうまくいくのでしょう。

これは、私の最高の愛読書になりました。