ある閉ざされた雪の山荘で 東野 圭吾
1996年1月15日 講談社文庫
いや~・・・重い。
結構、内容が濃いです。
でも先が知りたくて、一体どうなる?という気持ちとともに、一気に読んでしまいました。
たいていの推理小説は、なんとなーく犯人を予想するのですが、この作品に関しては一切できませんでした。
「そしてだれもいなくなった」とも違う。「十角館の殺人」とも違う…今まで読んだことのないパターンでした。
大体、題名からして雪の山荘を思い浮かべていたのに、雪なんか出て来やしない。
なぜかというと、ここに集まるのは全員劇団員。ここは閉ざされた雪の山荘である、という背景のもとお芝居をするのです。
しかしそこで起こることは、だんだんお芝居なのか現実なのか、一体何が行われているのか・・・
ただ「そして誰もいなくなった」も「十角館の殺人」もそうですが、この作品も今のこの携帯電話時代には成り立たないでしょう。
これは1996年、十角館も1991年ですから。
そしてまずこの小説の書き方からして、はじめからこちらはだまされているのです。
ここで探偵役の男、とんでもないイヤなヤローなのですが、最後ちょっとかわいい面を見せました。根は単純だったということですかね。
それからカギを握る女の子・・・彼女が、彼女を愛しているあの人と幸せになればいいのですが。
ところで、ふと思いましたが男性作家というのは「ユリエ」という名前が好きですねぇ・・・
なんか出てくる美女はユリエが多いです。
三谷友里恵の影響でしょうか?