どんどん橋、落ちた(新装改訂版) 綾辻 行人
1999年10月 講談社文庫
あの本格ミステリ、綾辻行人先生の作品ですので、てっきりミステリーもしくはホラーの、内容の濃い短編集だと思い込んでいました。
が!
読んでいくうち、わりかし早い段階で
「ん?」
となり
「あれ?」
になり
「こ、これは!!」
になりました。
いやはや・・・これはどう考えても、
お遊びで書いたでしょー!
自分自身を主人公にしているので、作者と少し距離が近くなった気がしますが、とにかくこんなの今まで読んだことがなーい!
変わってるというかなんというか・・・
何度ふきだしたかわかりません。
「犯人当て小説」ということで、綾辻先生の出身、京大のミステリクラブでよく行われたものだそうです。
犯人当てったって・・・これ、犯人って言えるのかなぁ・・・・
しかも登場人物の名前が笑えるじゃありませんか。
「十角館の殺人」にでてきたエラリィやらポウやら、作家仲間の名前やら。
やけに犬や猫に「タケマル」とつけていると思ったら、我孫子武丸先生から取っているらしいです。(我孫子先生、知ってるのかなぁ)
あと、日本一有名な一家を下敷きにしたという話もありましたが、どう考えても、いや考えなくてもサザエさんじゃないですか。
これはもう作者が面白がって、これでもかこれでもかと、徹底的に不幸にしているとしか思えず、もうここまでくるとギャグとしか考えられません。
しかしまあ・・・これどう評価すればいいのでしょうか。
まあ、面白かったと言えば面白かったですが・・・
まあ、いっか。深く考えなくても、面白ければ。