Another 上・下 綾辻 行人
2011年11月25日 角川文庫
この作品はもう何度も読んでいますが、やはり面白いです。
最後のクライマックスになると、一息に読んでしまいます。
こちら、文庫は2011年ですが、実際はもっと前で、舞台は1998年です。
主人公の中学三年生達は、もう携帯を持っていますね。
主人公・恒一は、母を失い、父親の仕事の都合で一時的に母方の祖父母の家で暮らすことになりました。
当然、転校することになるのですが、そこは昔母が通っていた中学。
しかしその中学には、不思議な現象がありました。
毎年というわけではないのですが、時々一つのクラスで不可解な現象が起きるのです。
不可解な現象とは・・・月に一人、クラスのもの、もしくはその家族が死ぬというもの。
なぜその現象が起こるクラスがわかるかというと、クラスの人数よりなぜか一人クラスメートが多いのだとか。
そうすると、あ、このクラスが当たってしまった、とわかるわけです。
ていうか・・・そもそも私なら、そんな中学に自分の子供を通わせないんですけどね。
不可解な現象を避けるためには、クラスの一人をいないものとして扱う、そうすることによって、強引に人数のつじつま合わせをするわけですね。
すると不思議なことに、その現象は起こらないのだとか。
今回のクラスで選ばれてしまったのは、病気で片目を失ってしまった美少女、鳴ちゃん。
しかしこのお話、結構理不尽なことが多いです。
大体、クラスのみんなが、転校生である主人公・恒一に事情をきちんと説明しておけば、こんなことにはならなかったのでは、と思うのです。
説明もしないでおいて、恒一や鳴ちゃんを責めるなんておかしいです。
不可解な現象は起こったにしても、またみんなの受け止め方は違ったでしょうし、鳴ちゃんだって、「いないもの」からもっと早く解放されたかもしれません。
しかし、そんな理不尽だらけの中で、何とかしようと頑張る恒一と鳴ちゃん、そしてその仲間たち・・・よく頑張りました。
そもそも、事件の発端・・・死んだクラスメートを生きているようにふるまること自体が問題ですよね。
そんなことをしたら、死者を呼んでしまうのは当たり前
クラスメートや先生、その家族が凄惨な死に方をしていく中で、少しずつ調べていった結果、クラスには依然死んだ人間が紛れ込んでいる、その人間が死ねば現象は収まる・・・そんな結論にたどり着く恒一達。
はたして、クラスのだれが死んだものなのか・・・
過去の記録が全て現象によって改ざんされており、いったい誰なのかさっぱりわからない。
そして、最後、解決のために行った合宿で死んだものが明らかになるのですが、その時の恒一の気持ち、そして九官鳥の悲しい言葉には涙が出てしまいました。
もしこんなことが現実に起こったら・・・私なんて真っ先に犠牲になるタイプ。
この中で生き残るほど、強運の持ち主ではありません。
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