世界を変えた10冊の本① 池上 彰
2014年3月20日 文春文庫
実は、私は池上さんの大ファンなのです。
池上さんの本は面白いし、勉強になるし、何よりも文面にその知的で穏やかなお人柄がにじみ出ていますよね。
池上さんはたくさん本を出版なさっていますが、この本も素晴らしい名著です。
ここに出てくる10冊の本も、いつか必ず読破すると心に誓っています。
10冊の本をご紹介すると文面が長くなるので、二回に分けたいと思います。
ユダヤ人の差別は、イエスを死刑にしたころにさかのぼり、ずいぶん根深いものです。
アンネはその差別の中で懸命に生きましたが、彼女の日記のために、国際社会がイスラエルに対して強い態度をとれず、イスラエルのパレスチナ占領を許してしまったとは知りませんでした。
「聖書」
キリスト教徒は本当に神が人間をつくって、全て神と人間の契約によってもたらされ、聖書の物語も実話だと信じる、強い信仰を持っています。
聖書でイエスの言葉「敵を愛せ」という言葉があるのに、戦争は絶えず、みんなが聖人になれたわけではないという池上さんの言葉が印象的です。
「コーラン」
コーランは旧約聖書+新約聖書+コーラン(神の言葉)の三つから成り立っており、これがイスラム教だそうです。
イスラム教徒にはスンニ派(血筋に関係なく、イスラムの教えに従う)とシーア派(ムハンマドの血筋を引く者こそが正後継者)に分かれています。
イスラム原理主義とは、ムハンマドが生きていたころの社会に戻り、イスラムの教えに従って社会を復興させようとするもので、これ自体は悪いものではないけれど、この思想が過激になり、暴力をジハードとする者たちが現れ、これが過激派だそうです。
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」M・ウェーバー
プロテスタントの教えは、神は全体主権を持っており、個々の人間が天国に行けるかどうかは既に決まっており、どんな善行を積んでもそれは覆らないとのこと。
すると人間は、神から与えられた義務「仕事」に精を出し、それに成功することで、自分は選ばれていると確信することができる。そうして資本主義が発展していったそうです。外国って全て宗教が基になっているのですね。
まるで今の日本を予言しているかのような記述です。恐ろしいまでの先見の目です。
①はここまで。また②で続きを書きます。